「シャークキック」は何テイクも!ヴェネチアでの1000人の観客の「静寂」を語る 実写映画『ルックバック』名古屋舞台挨拶に出口夏希さん、蒔田彩珠さん、是枝裕和監督が登壇!
9月11日(金)より公開の映画『ルックバック』は、藤本タツキさんの青春漫画を実写映画化した作品です。『万引き家族』『怪物』などで知られる是枝裕和監督がメガホンを取り、漫画を描くことに向き合い続ける藤野と京本の13年間を描きます。公開10日目となったこの日、名古屋市内のTOHOシネマズ名古屋栄で舞台挨拶が行われ、上映後のスクリーンの前に藤野役の出口夏希さん、京本役の蒔田彩珠さん、是枝裕和監督が登壇。

名古屋めしの話題をはじめ、台湾・香港でのプロモーション、好きなシーンや撮影中のエピソード、さらに第83回ヴェネチア国際映画祭での思い出などを語り、会場を盛り上げました。(取材日:2026年9月21日)
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名古屋めしの話題からスタート!台湾・香港での反響も紹介
舞台挨拶は、3人の挨拶からスタート。出口さんは「本日はお越しいただきありがとうございます。藤野役を演じさせていただきました出口夏希です。よろしくお願いします」、蒔田さんは「こんにちは。京本を演じました蒔田彩珠です。短い時間ではありますが、よろしくお願いします」、是枝監督は「こんにちは。『ルックバック』の監督をしました、是枝です。今日はよろしくお願いします」と、それぞれ観客に挨拶しました。

名古屋での舞台挨拶ということで、まず話題になったのは名古屋めし。出口さんは「本当に1時間半前ぐらいに名古屋に着いたばっかりなんですよ。だから、”ひつまぶし”?食べたいです」と、まだ名古屋に到着したばかりだと明かしました。食べたことはあるのか?と聞かれると「”ひつまぶし”って何でした?」と尋ねる出口さん。”ひつまぶし”が、お櫃に入ったご飯の上にうなぎをのせた料理だと説明されると、「あーーー!食べたことないかも?」と”ひつまぶし”に興味津々の様子を見せました。

一方、蒔田さんは「私はもう”世界の山ちゃん”で打ち上げたいですね!」と名古屋らしい希望を口に。大阪での舞台挨拶も控えていることから、是枝監督に「ちょっと早いかもしれない」と言われると、「(この後)大阪です」と笑顔で返し、会場も和みました。名古屋を訪れる機会の多い是枝監督は、これまで”ひつまぶし”や”味噌カツ”をごちそうになることが多かったそうで、「年齢的に”ひつまぶし”」と笑いながらも、”ひつまぶし”が好きかと聞かれると「大好きです!」と即答。名古屋の滞在時間が限られていることを告げられても「はい。いや、食べていきます!」と”ひつまぶし”愛を見せ、会場から笑いが起こりました。

また、3人は前日まで台湾・香港を訪れてプロモーションを行っていました。出口さんは「もうすごかったです。皆さん本当に温かく迎えてくださって、ファンの方、お客さんとQ&Aする時間があったんですけど、すごいたくさんの人が『はい!!』って手を挙げてくださって、すごい楽しかったです」と振り返り、蒔田さんも海外での舞台挨拶は初めてだったと明かしました。緊張していたものの、作品を観終えた観客が笑顔で迎えてくれたことで、次第に安心できたといいます。是枝監督も、台湾・香港では若い観客や藤本タツキさんのファンが多く訪れていたことを振り返り、「温かく迎えていただいた」と現地での反響を語り「ちょっと安心して戻ってきました」と安堵の表情を浮かべました。
出口夏希さんの「シャークキック」、蒔田彩珠さんの「セミ」――撮影現場で生まれた印象的なシーン
続いて、好きなシーンについて質問されると、出口さんは「好きなシーン、本当にいっぱいあるんですけど……私のシャークキックですかね」と回答。会場から拍手が起こると、「拍手もらっちゃった」と嬉しそうな表情を見せました。「一番テイクを重ねましたね」と振り返る是枝監督に、出口さんも「一番監督が何回も何回もって言ったシーンです」と笑います。出口さんはシャークキックシーンの撮影に向けて練習を重ねていたそうで、前日に練習を頑張りすぎたことで筋肉痛になったことも告白。「練習のほうが飛んでたんです」と話すと、会場から笑いが起こりました。是枝監督がこのシーンで求めたのは「高さ」だったといい、「高さが欲しかったんです。いいキックでしたね。いいキックとパンチでした」と出口さんの本番でのアクションを称えました。

蒔田さんは「今日の気分で言うと」と注釈をつけつつ、図鑑を広げてセミの話をしているシーンを挙げました。ポイントは「私が結構本気で嫌がってるところです」と明かしました。実は蒔田さん自身がセミを苦手としているそうで、藤野役の出口さんの突然の行動への自然な反応が映し出されているそうです。撮影時の行動について、出口さんは「カットがまだかからなかったんですよね。それで何かやろうと思って」と理由を話し「ごめんね」と謝ると、蒔田さんが「いいよ」と返すなど、可愛いらしい2人のやり取りに会場も温かな雰囲気に包まれました。

是枝監督は、カットをかけずに自由に動いてもらう撮影が多かったのか?という質問に「そんなに多くはないです。あと海に引っ張って入れようとするところくらい。」と説明し「もうほとんど、どう撮っても藤野と京本だったので、いつ回していつ止めるかを、そこまで決めなくても大丈夫な関係ができてました」と振り返りました。さらに「キャスティングをした時点で、僕の中には結構この2人のコラボレーションのイメージというのはできてたので、安心して撮ってました」と、2人の関係性に信頼を寄せていたことを明かしました。
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ヴェネチア国際映画祭 1000人の観客の「静寂」 蒔田彩珠さん「15年くらい言い続けて、やっと叶いました」
『ルックバック』は第83回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門にも選出され、約1000席の会場で上映されました。公式上映では多くの観客が作品を見届け、上映後には12分間にわたるスタンディングオベーションが起こりました。ヴェネチアを振り返り、出口さんは「街全体が映画祭に染められていて、みんなが映画祭に来る関係者とかお客さんばかりだったので、私も楽しかったです」と、映画祭ならではの空気を振り返りました。また、出口さんが舞台上で話す前に是枝監督のほうを見る場面があったことについて、司会から指摘されると、是枝監督は「(出口さんには)すごくよくしゃべれる時と、全然しゃべれない時がある」と説明し、半分心配しながら、半分は期待しながら見ているという話に、会場から笑いが起こりました。

蒔田さんにとっても、ヴェネチアは特別な経験になりました。「私は是枝監督と海外の映画祭行くのが夢だったので、すごく……なんだろう、一生の思い出に残るようなイベントでした」と思いを込めて振り返りました。その夢について聞かれると、「もう本当、ずっと15年くらい言い続けて、やっと叶いました」と明かし、是枝監督も「はい。そのくらいかかりました」と呟くように応じました。蒔田さんは是枝監督が監督・脚本を手がけた連続ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(2012年放送)で俳優デビューしています。当時10歳だった蒔田さんはオーディションを経て是枝監督に見出され、阿部寛さん演じる主人公・坪井良多の娘・菜穂役で出演しています。当時からの夢が『ルックバック』で叶えられたことは、蒔田さんにとって特別なことだったに違いありません。

そして是枝監督が特に印象に残っているのは、約1000人が集まった劇場で生まれた「静寂」でした。本作では音や静けさが重要な意味を持つ場面があり、コンビニで2人がマンガ賞の選考結果を知るシーンや、ラストで手をこすり合わせて耳に当てる場面などを挙げた是枝監督。大きな劇場に集まった観客が一斉に静かになり、作品の中にある「静寂」を共有した時間について、「忘れられない時間でした」と語りました。
「もう一回、観に来てね~!」3人が名古屋の観客へメッセージ
最後に、名古屋の観客へ向けて3人からメッセージが送られました。出口さんは、すでに本作を2回観ていることを明かし、「観終わった後の余韻がすごく好き」と作品への思いを語りました。上映後の舞台挨拶ということで、まだ映画の余韻を味わう前に自身らが登壇して舞台挨拶を行っていることに申し訳なさを滲ませながら、観客に向けて「もう一回、観に来てね~!」と笑顔で呼びかけました。

蒔田さんは、作品を観た人たちがどのように感じたのかを知りたいという思いを語りながら、まだ観ていない人にも、すでに観た人にも、それぞれのタイミングで作品を思い出してもらえたらとメッセージ。「何度でも観て欲しいです」と呼びかけました。最後に是枝監督は、「幸せな時間でしたね、撮影してる時間がね」と撮影の日々を振り返りました。フィクションではあるものの、そこにはキャストやスタッフが過ごした、かけがえのない時間が詰まっているといい、「好きになってもらえたら嬉しいです。今日はありがとうございました」と観客に感謝を伝えました。3人の言葉に大きな拍手が送られる中、出口さん、蒔田さん、是枝監督は観客に手を振りながら退場。名古屋の会場は、作品への余韻と温かな拍手に包まれて舞台挨拶を終えました。
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作品概要
9月11日(金)より全国公開
出演:出口夏希 蒔田彩珠 七瀬ふうり 岡田六花 野呂佳代 池田良 佐々木みゆ 山田真歩 宮藤官九郎/菅田将暉
原作:藤本タツキ「ルックバック」(集英社ジャンプコミックス刊)
監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:坂東祐大
撮影:上野千蔵 照明:西田まさちお 録音:冨田和彦 美術:小島伸介 衣装:伊藤佐智子 ヘアメイク監修:
勇見勝彦
助監督:中山権正 スクリプター:田口良子 キャスティング:田端利江 山下葉子
VFXスーパーバイザー:上田倫人 ラインプロデューサー:村岡伸一郎
後援:秋田県にかほ市
企画・プロデューサー:小出大樹
配給:K2 Pictures
©藤本タツキ/集英社 ©2026 K2 Pictures・集英社

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