安田章大さんが名古屋めしトーク&島二郎スタイル!?「普通」という言葉への違和感も語った『平行と垂直』舞台挨拶
8月28日(金)より公開の映画『平行と垂直』は、清掃の仕事に就き、周りのサポートを受けながら自立した生活を送る自閉スペクトラム症(ASD)の兄・大貴と、カウンセラーとして働きつつ、兄を支えることを当たり前としてきた妹・希の日常が、希自身の結婚話をきっかけに揺れ動く様子を描いたヒューマンドラマです。安田章大さんがASD監修チームの取材や交流を経て、大貴役を丁寧に演じ、妹の希役をのんさんが務めました。
公開2日目に名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで公開記念舞台挨拶が行われました。上映前のスクリーン前に大貴役の安田章大さんと小林聖太郎監督が登壇。作品への思いや役作り、キャスティング秘話に加え、名古屋との縁や名古屋めしについても語り、会場を盛り上げました。(取材日:2026年8月29日)
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天むすは冷凍!安田章大さんが語る名古屋めし 「裸にエプロン、島二郎みたい(笑)」で会場爆笑
映画の公開を迎えた心境を聞かれると、安田さんは「誰かのためになれる映画を届けられるきっかけができたので、幸せに思います」と笑顔。完成したのは3月頃だったものの、観客にどう受け止めてもらえるのか不安な日々を過ごしていたという小林監督は、公開初日に寄せられた感想を読んで「ちょっとホッとしてます」と率直な思いを明かしました。

続いて、名古屋で行ってみたい場所を聞かれた安田さんは「動物園」と回答。以前、名古屋での仕事の際に動物園へ向かっていたものの、途中で足が痛くなり、予定を変更してラーメンを食べに行ったエピソードを披露しました。その後、大通りの真ん中にある緑地のような場所で一人でぼーっと座り、ひなたぼっこをしていたそうで、「結構いたるところで寝転がってる」と話して会場を笑わせました。また、ドラマ『ROMES 空港防御システム』では中部国際空港での撮影も経験していて、当時は空港まで自分で電車を乗り継いで移動していたというエピソードも披露。散歩が好きだという安田さんは、名古屋で散歩をしたり、動物園に行ったりする作品があったら……と小林監督に目線を送って、名古屋を舞台にした作品に関する質問にも答えていました。

名古屋めしの話になると、安田さんからは「コンパル」の名前が飛び出し、さらに天むすについても熱弁。「天むすを7個ぐらい買って帰る」といい、1個ずつラップに包んで冷凍しているという独自の楽しみ方を明かしました。さらに家での過ごし方について「裸にエプロン、ちいかわの島二郎みたいな状態」と冗談を交えて語ると、会場からは大きな笑いが起こりました。一方、小林監督は「味仙の台湾ラーメン、アメリカンを食べたい」と名古屋めしへの意欲を見せましたが、この後の移動スケジュールを考え、「時間あるかなぁ」と悩ましげな様子。それでも「駅のホームのきしめんなら行けるかも」と、名古屋での昼食に思いを巡らせました。
さらに、安田さんは名古屋との深い繋がりについても紹介。中京テレビの「ムジナバケール」の話や、村上信五さん、丸山隆平さんとともMCをつとめた番組を振り返り、西アフリカや中南米ベリーズに行ったことや「エジプトにも行かせていただいた」と話し、「次は海があるところがいいなぁ」と話を膨らませていました。
安田章大さんが大貴役を通して向き合ったこと
本作で安田さんが演じる大貴は、言葉での表現が少ないキャラクターです。役作りについて聞かれると、安田さんは監修を担当した辻井正次教授とともに「さくらんぼ教室」を訪れ、実際にそこで暮らす人たちと出会った経験を語りました。「発達障害と定型発達、もちろん違いはありますけど、その診断が下されてるだけと僕は理解していて。それを横並びにしているのは『人』という、このキーワードだと思う」そうした出会いを通して、安田さんは大貴を「役として作る」というよりも、「それぞれ違うんだったら、それぞれ違うなりに、大貴は大貴なりの生き方があるよな」と考えるようになったといいます。さくらんぼ教室で出会った人たちの生き方や考え方、表現、空気感など、その一つひとつが大貴の中に入っていると振り返りました。

撮影現場では、監修を務めた辻井教授らが撮影に立ち会うこともあったそうです。小林監督は、脚本を読んでもらい意見を聞いたほか、取材にも同行してもらい、さまざまなエピソードを教えてもらったと説明。「一緒に作ってるなって感じがしました」と振り返りました。小林監督は細かな動きを指示するというよりも、その場に生まれる空気感を大切にしていると説明。安田さんも、監督がカメラのすぐそばで芝居を見ていることに触れ、「自分も同じように気持ちが入ってくるから、セリフまで喋っちゃうらしい」と明かし、二人の息の合ったやり取りで会場を和ませました。
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本作で大貴の妹・希を演じるのんさんのキャスティングについて、小林監督は「あまちゃん」でブレイクする前から気になっていたことを明かしました。もともと安田さんらから発信された企画で、妹役を誰にするかという話になった際、小林監督は以前から「ぜひ仕事をしてみたい」と思っていたのんさんの名前を挙げたといいます。これまでにも何度か仕事の話が出たものの実現には至らず、今回ようやく実現。

兵庫県出身ののんさんが関西弁を話すことについても触れ、「意外と関西のイメージがない」と語った小林監督。これまでの少し変った雰囲気の役とは違い、一般的な仕事をしている同年代くらいの女性を演じる姿を見てみたいという思いもあったと明かしました。安田さんとのんさんが関西弁で掛け合う場面も、本作の見どころの一つ。小林監督が長年思い描いていたキャスティングが、今回の作品でついに実を結びました。
「絆にも光と闇がある」安田章大さん&小林監督が観客へメッセージ
これから作品を観る観客への注目ポイントについて、安田さんは「普通」という言葉をキーワードに挙げ、自分の「普通」と映画の中に出てくる「普通」を照らし合わせながら、自分の感性を見つめ直してほしいと語りました。それによって、自分の人生がより豊かになったり、平和になったり、世界を変えられる一人になれるのではないかと、作品に込めた思いを伝えました。

小林監督は、作品全体を通して感じてほしいこととして「絆」を例に挙げました。「絆」は美しく大切なものでもある一方で、重苦しく苦しいものにもなり得るとし、「常に両面、光と闇の両方がある」と説明。その中で、自分自身はどちらを選ぶのかを考えるきっかけになればと話しました。最後に安田さんは、一人ひとりの感性が違っていいこと、「普通が違う」ということを改めて感じてほしいとメッセージ。「愛されているということも忘れがちなような感じで、愛してるんだったら愛してると伝えた方がいい」と語り、誰もが可能性を持っていることを思い出してほしいと呼びかけました。

SNSが発達している一方で、自分がどこかに追いやられているように感じる人もいるのではないかとし、「決して一人じゃない」ということに気づいてほしいと安田さん。さらに、自閉スペクトラム症をはじめ、さまざまな発達障害がある中で、定型発達との境界を少しずつなくしていける社会を作っていきたいという思いも語りました。「知って、動き出す」という言葉とともに、未来を担う人たちと一緒に映画を広げていきたいと語った安田さん。最後には「この映画の親は皆様なので、育ててあげてください」と呼びかけ、舞台挨拶を締めくくりました。『平行と垂直』は、観る人それぞれの「普通」や、人と人とのつながりについて考えるきっかけを与えてくれる作品です。安田さんと小林監督が名古屋で語った言葉を胸に、ぜひ劇場で作品を味わってみてはいかがでしょうか。
作品概要
8月29日(土)よりミッドランドスクエア シネマ、センチュリーシネマ他全国公開

出演:安田章大、のん 伊島空、高山トモヒロ、谷村美月、福田転球、芦川誠、早織、久保田磨希 河野咲良、髙田幸季、武藤凪、林英世/神野三鈴、菅原大吉
監督:小林聖太郎
原案・脚本:山野海
音楽:富貴晴美
企画:安田章大
企画プロデュース:佐藤現
プロデューサー:樫﨑秀明、竹下新悟
ASD監修:辻井正次、伊庭葉子、浮貝明典
配給:東映ビデオ
©2026「平行と垂直」製作委員会
公式HP:https://www.toei-video.co.jp/heikoutosuichoku/
X:@heikou_suichoku/Instagram:@heikou_suichoku





















