あいち国際女性映画祭2026 国内外からイム・スルレ監督・麻生祐未さんなど多彩なゲストが来場
9月2日(水)~6日(日)までの5日間の日程で開催される「あいち国際女性映画祭」は、今年で31回目となる国内唯一の女性映画祭です。会場は名古屋市東区にある愛知県女性総合センター(ウィルあいち)、名古屋駅付近のミッドランドスクエア シネマで、世界各国・地域の女性監督による作品・女性に着目した作品の上映や、国内外の女性監督によるフィルム・コンペティションが行われます。今年もフィルム・コンペティションの審査委員長を奥田瑛二さんが務めます。加えてフィルム・コンペティションの審査員に、昨年度の本映画祭の第30回記念アンバサダーを務めた三島有紀子監督を迎える運びとなりました。

上映に合わせて韓国からイム・スルレ監督、麻生祐未さん、佳山明さん、声優の深見梨加さんほか国内外の監督をはじめ多彩なゲストの方々をお招きして開催されるのも本映画祭の魅力の一つです。映画上映後のトークイベントやゲストとの交流の機会が持てるなど、映画鑑賞だけにとどまらない楽しみ方ができる「あいち国際女性映画祭2026」の記者会見を取材しました。今年の注目作品をご紹介します。(取材日:2026年7月8日)
新着情報
国内外の国際映画祭との連携やイム・スルレ監督特集、シンポジウムなど見どころ満載!
「あいち国際女性映画祭」は1996年(平成8年)に名古屋市東区にある愛知県女性総合センター(ウィルあいち)のオープニングイベントとして始まりました。この映画祭が好評を博し、それ以降毎年開催され、今年は31回目となりました。9月2日(水)から9月6日(日)の5日間で開催され、女性監督の作品と女性の活躍をテーマとした作品の上映や、国内外の女性監督によるフィルム・コンペティション、トークイベントなどが行われるなど、充実したプログラムとなっています。名古屋市東区の愛知県女性総合センター(ウィルあいち)と名古屋駅前のミッドランドスクエア シネマが会場です。

今年2026年は世界初公開が1作品、日本初公開作品が4作品、愛知初公開5作品を含む18作の招待作品と、フィルム・コンペティション作品の15作品の全33作品が上映されます。公益財団法人あいち男女共同参画財団・武田晃理事長は、「あいち国際女性映画祭は日本で唯一の映画祭で、映画という親しみやすい素材を通して女性の活躍や男女共同参画などへの理解を深めて頂くことを目的としています。素晴らしい作品の数々を堪能していただきたいと存じます」と述べました。

続いて東松プロデューサーが「前回と引き続き東京国際映画祭の上映作品を上映すると共に、台湾国際女性映画祭との連携企画として同映画祭での上映作品を、その映画祭で上映いたします。また、韓国を代表する女性監督であるイム・スルレ監督特集など趣向を凝らしております」と企画の大枠を語りました。オープニング作品について、「9月3日、オープニングを飾るのは日本初公開作品、イ・ウンジョン監督の韓国映画『済州に生きる』です。ウィルホールの上映後にはトークイベントがあります。こちらの作品は4日にミッドランド会場でも上映します」と説明。クロージング作品については、「9月6日ウィルホールで上映されるのは、日本初公開作品のウー・ニェンホア監督の『ふたりの家路』です。上映後にトークイベントが予定されています。この作品は台湾国際女性映画祭との連携企画により上映するもので、観客賞や台湾映画評論家協会推薦賞を受賞しています。9月3日にはミッドランドスクエア シネマ(スクリーン4)でも上映します」と紹介しました。

続いて「9月5日に上映される世界初公開作品は島春迦監督の『そらのまなびや』です。上映後には島監督と出演の佳山明さん・麻生祐未さんによるトークイベントを予定しています」と話し、シヴァランジニ監督のインド映画『ヴィクトリア』、吉峯美和監督の『孤高のサムライ 愛を描く』、Aichi-Nagoya2026公認文化プログラムとして上映されるジョージアとアメリカの合作映画『TATAMI』などの上映作品の数々も紹介。そして名古屋難民支援室との共同企画、難民問題を考えるシンポジウム「子どもたちの瞳が映す国境の闇:『LOST LAND』と考えるロヒンギャの未来」が9月5日にウィルホールで行われると発表しました。また、東松プロデューサーはフィルム・コンペティションについて「602作品の中からノミネートされた15作品を上映します。部門ごとに最も優れた作品をグランプリ、お客様の投票で選ばれた作品を観客賞として表彰します」と話しました。
木全純治ディレクター「今年は長編デビュー作品、台湾作品が目立つ印象」主要な5作品を紹介
上映される作品の詳細については、木全ディレクターが説明しました。木全ディレクターは「今年は不思議なことに、10作品のうち7作品が長編デビュー作品ということになりました」と2026年の作品の特徴を話し、「珍しいことだと思います。これまでは映画界出身の方が多かったですが、テレビのディレクターまたは独自に研鑽を積んで映画を撮られているという様変わりの要素が生まれたのではないかと思います」と述べました。続いて、台湾国際女性映画祭との繋がりで推薦された『ふたりの家路』や、昨年から連携している東京国際映画祭から推薦された『木々の隙間』について、木全ディレクターは「推薦作品が二本とも台湾作品という珍しい例になりました」と言い、その背景には日中間の関係悪化によって香港や中国作品が上映できないという結果もあるのではないか……と含ませました。

3つ目の特色として「今年は韓国を代表するイム・スルレ監督を特集いたします。2023年の作品では10億円という予算を女性監督でつけられるということから、本当に韓国を代表しているんだなと思います。短編の『雨の中の散歩』という1994年のデビュー作品は日本初公開で、見ごたえのある作品です」とまとめました。そして2026年の主要な映画5作品の詳細を話していきました。
映画『済州に生きる sumbisori』イ・ウンジョン監督
【3日(木)ウィルホール10:00~上映後にトークイベントイ・ウンジョン監督が登壇/4日(金)ミッドランドスクエア シネマのスクリーン4にて18:30~】

©️Indiestory Inc.
木全さんは「昨年の『済州島4・3事件ハラン』がミニシアターで大ヒットしましたが、この作品も韓国の済州島の海女を描いた作品になります。祖母・母・娘の海女の3世代が描かれており、サブタイトルの‟sumbisori”は海中から海面に出たときの息を吐く音を表しています」と紹介しました。
映画『ヴィクトリア』シヴァランジニ監督
【2日(水)ミッドランドスクエア シネマのスクリーン4にて18:30~/3日(木)ウィルホールにて13:00~上映後にトークイベント シヴァランジニ監督が登壇】

木全さんは「インドからは、シヴァランジニ監督の作品になります。美容院を舞台にした1日の話で、女性だけが登場し男性は携帯電話の声だけです。雄鶏が重要な意味を担っています。ドラマですが、ドキュメンタリーのような錯覚に陥るような作品です」と話しました。
映画『ふたりの家路』ウー・ニェンホア監督
【3日(木)ミッドランドスクエア シネマのスクリーン4にて18:30~上映/6日(日)ウィルホールにて13:00~上映 上映後にトークイベントウー・ニェンホア監督が登壇】

木全さんは「ウー・ニェンホア監督が台北から高雄の家に3年ぶりに帰るというところから始まるドキュメンタリーです。監督自身の家について描き、幼い時に別れた父親も登場します。ドキュメンタリーですが、まるでドラマが生まれているような感覚になります」と評しました。
映画『そらのまなびや』島春迦監督
【5日(土)ウィルホール10:00~上映後にトークイベント島春迦監督、佳山明さん、麻生祐未さんが登壇】

木全さんは「日本からは唯一のドラマの『そらのまなびや』を紹介します。舞台は山の空き寺で、ブラザートムさん扮する住職が”生臭坊主”をするということから始まっていきます。その住職の娘が佳山明さんが演じる主人公です」と話し、山寺での人々との交流や、娘の恋愛模様が描かれると説明しました。
映画『飛べ、ペンギン』イム・スルレ監督
【4日(金)大会議場にて10:00~『雨の中の散歩』とセット上映 13:00~『リトル・フォレスト 春夏秋冬』上映後トークイベントにイム・スルレ監督が登壇】

韓国を代表する⼥性監督、イム・スルレ監督の特集で原点となるデビュー短編『⾬の中の散歩』とセットで上映される『⾶べ、ペンギン』について、木全さんは「こちらは2009年の作品ですが、ひとつの会社の中のそれぞれの人たちの物語が描かれるオムニバスです。受験勉強の様子など、2009年と今とどのように違っているのかを参考にするには非常に興味深い作品ではないかと思います」と、当映画祭2009で上映した本作を再上映ということに触れました。
以上、どの作品も見ごたえがありそうで2026年も充実のラインナップが揃っています。
難民問題を考えるシンポジウムで藤元明緒監督の最新作『LOST LAND/ロストランド』を上映
佐藤久美イベントディレクターにマイクが繋がり、国際交流企画で行う上映会とシンポジウムについての説明が始まりました。佐藤ディレクターは「今回上映する作品は藤元明緒監督の最新作『LOST LAND/ロストランド』です。本作はベネチア国際映画祭で日本人監督初の審査員特別賞を受賞するなど話題となっている作品です」と述べ、「物語の主人公は難民キャンプで暮らす幼い姉弟です。パスポートを持たない彼らが家族との再会を願い、命がけで国境を越える過酷な旅路……世界で最も迫害を受ける民族と言われるロヒンギャのリアルな現実が子どもたちの視点を通して映し出されています」と紹介しました。上映後に、難民問題を考えるシンポジウム「子どもたちの瞳が映す国境の闇:『LOST LAND』と考えるロヒンギャの未来」が行われることも発表しました。

佐藤ディレクターは「藤元監督には作品に込めた覚悟と、撮影を通して目撃した難民の今について語っていただきます。藤川記者にはジャーナリストとしての国際報道の最前線からロヒンギャ問題の構造と世界の動向の解説をしていただきます」と述べ、続けて「名古屋難民支援室の羽田野さんからは、東海地域……私たちの足元にある課題を提起していただきます」と登壇する方の紹介をしました。佐藤ディレクターは「日本に暮らす私たちに何ができるのかという身近な視点でシンポジウムで議論いたします。きわめて意味深いシンポジウムになると確信しています」と結びました。

記者会見の終わりにポスター・リーフレット表紙デザインの最優秀賞を受賞した松田吉弘さんの表彰がありました。松田さんは「レッドカーペットと女性のドレスを一体化させることで、自然と中央の女性に目が向くように意識しました。また映画祭のタイトルにはフィルムや女性のドレスのような要素を取り入れて洗練された雰囲気を持たせるように製作しました。今回の受賞はとても嬉しく、これまで挑戦を続けてきて良かったと思います。これからも多くのデザインを制作していきたいと思います。ありがとうございました」と感謝と共に今後の意気込みを語りました。

あいち国際女性映画祭2026は、今年も盛りだくさんなラインナップで皆さんをお待ちしています。チケットはウィルあいちで上映される作品は前売り1,200円、当日1,500円で販売され、ミッドランドスクエア シネマで上映される作品は前売り・当日共に1,500円で購入できます。また、学生・子ども・障がい者の方のチケットは前売り・当日共に800円です。
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日時:2025 年9月11日(木)~9月15日(月・祝)





















