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2026-07-23

岐阜出身の新進気鋭の清水友翔監督最新作映画『トーキョーナイトフォール』英レインダンス映画祭で最優秀賞ノミネート!清水友翔監督・安部伊織さん・葵うたのさん・田中光輔さん・廣中太河さんにオンラインでインタビュー


 

7月31日(金)からヒューマンラストシネマ渋谷ほか全国順次公開、東海圏では岐阜県柳ヶ瀬のCINEX(シネックス)で公開される映画『トーキョーナイトフォール』は、昨年2025年に長編映画『僕の中で咲く花火』でデビューした岐阜県出身の清水友翔監督の最新作で、混沌とした東京の夜を舞台に、都会の片隅で孤独や行き場のない苦悩を抱えて生きる若者たちの姿を、ナイトクラブで行われる集団心中という過激な題材を取り上げながらも、繊細なまなざしで描き出すヒューマンドラマです。

妹の死に自責の念を抱く主人公の青年・雨無(あめなし)を安部伊織さん、自ら命を絶ってしまった妹アンナを葵うたのさんが演じます。ふたりは『僕の中に咲く花火』の清水監督との再タッグとなります。また、WOWOWドラマ『TOKYO VICE』に出演した田中光輔さんや、廣中太河さん、ラッパーの漢 a.k.a. GAMIさんや梵頭さん、アイザックさんら多彩な顔ぶれが脇を固めています。前作に引き続き「太秦ライムライト」の落合賢さんがプロデューサーを務め、イギリスのレインダンス映画祭に出品するなど注目すべき作品です。

映画『トーキョーナイトフォール』の公開を前に監督の清水友翔さん、出演者の安部伊織さん、葵うたのさん、田中光輔さん、廣中太河さんにオンラインインタビュー。若さ溢れる監督・俳優たちの映画『トーキョーナイトフォール』への強い想いや、演じることとは何か、撮影時の様子などを和気あいあいとした雰囲気で話しました。(取材日2026年5月26日)

集団心中が行われるナイトクラブ!? 映画『トーキョーナイトフォール』不安や孤独を抱える人々に寄り添う視点が印象的

映画『トーキョーナイトフォール』は、妹のアンナ(葵うたのさん)の死に責任を感じながら生きる青年:雨無(安部伊織さん)の心模様を軸に、東京のネオン街の片隅で密かに行われる集団心中イベントの存在を知り、その会場へと向かう雨無と雨無を心配した親友の能津(田中光輔さん)と服部(廣中太河さん)がナイトクラブに潜入し脱出を試みる中で自身の胸の奥に秘めていた感情に気づいていく過程、そしてナイトクラブ内に集った自殺志願者たちの狂乱が描かれています。ナイトクラブでの4つ打ちのリズムや、過去と現在という時間軸が複雑に絡み合う構成によって観る者の感覚を揺さぶる世界観が形成されています。集団心中というセンセーショナルなものを扱いますが、不思議と不安や孤独を抱える人々に寄り添う視点が印象的な映画です。

清水監督に脚本執筆の経緯を伺うと「真面目な話になりますが、家族問題などのさまざまな要因で苦悩して、気持ちが‟死”に向かっている友人の相談にのっていました。そのときに脚本を書きました」と友人の相談がきっかけだったと語りました。寄り添う視点が感じられたのは脚本当時の清水監督の心境が現れていたのかもしれません。

死に傾倒する人々が集う設定や、劇中にビデオテープの映像が登場することからホラーテイストも意識したのかと質問すると清水監督は「ホラーではないです」と微笑み、「サブカル映画というよりは物語性を持った、ちゃんとしたメッセージもあるよっていうバランスを自分で模索していました」と話しました。そして「1作目は想いが強すぎてエンタメ要素が足りていなかったという反省もあり、今作は、キャッチーでテーマ性が分かりやすいと思います。カメラワークもいろんな撮り方があるほうが皆さんに楽しんで頂けると思って工夫しました」と作家性とエンタメのバランスを大切にしたと改めて述べました。執筆当時はキャスティングなどは考えず、無心に書き進んでいたそうです。

本作ではアンナが生きていた頃の「過去」は回想シーンやビデオテープの映像として描かれ、アンナがこの世を去った後の「現在」の部分は、主にナイトクラブでの出来事として描かれています。ポスターにある団地が反転している意味については鑑賞後に分かる仕掛けとなっているのも心憎い演出です。過去と現在が交互に挿入され、観ているうちに時間軸や”死と生の境目”が曖昧になる感覚になっていきます。

過去のシーンと現在のシーンが入れ子のように挟んでいく構成を脚本段階から決めていたという清水監督は、「撮影して編集しないと、どうなるのかが分からなかった」とチャレンジだったと振り返り、ビートやリズムなどの”音”に合わせて編集したと話しました。死の境地に近づくにつれて聞こえてくる「水の音」がゾクゾクすると記者が話すと、清水監督は「整音を担当してくれたKeefarさんのアイデアです!」と自分が褒められること以上に喜んで言いました。その喜ぶ姿をみて同席していた安部さん、葵さん、田中さん、廣中さんも一緒に笑顔を弾けさせ、清水組の強い結束を感じさせました。

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安部伊織さん・葵うたのさん 今回は兄妹役で再タッグ「今後も一緒にやっていきたい」と清水監督がオファー

本作『トーキョーナイトフォ-ル』では自死した妹を葵うたのさん、妹に先立たれた兄を安部伊織さんが演じます。前作の『僕の中に咲く花火』では劇中で妹を失う高校生を安部伊織さんが演じ、その心を埋める年上の女性を葵うたのさんが演じていました。役柄上の関係性や年齢設定の変化について安部さんは「リハーサルで久しぶりにうたのさんと会って、”できるかなぁ”みたいな話をしましたね」と明かしました。そして「僕は今回の雨無と実年齢があまり変わりませんが、うたのさんが制服を着るシーンがあって…」と前回は自分が制服を着て、本作は葵さんが制服を着るという設定だったと振り返ると同席している田中さんや廣中さんも含めて、うたのさんの制服姿がイケていたと盛り上がりました。うたのさんは「安部さんとの2人きりのシーンだけでなく、このメンバーが良いバランスで、頼りになって甘えることができたんです」と自然に妹ムーブになったとウフフと笑いながら話しました。

昨年の舞台挨拶で清水監督が次回作も安部さん・葵さんで撮りたいと話していたことに触れると、清水監督はニコっと笑って「今後も同じメンバーで、清水組じゃないですが一緒にやっていきたいという気持ちが当初からありました」と話しました。清水監督との再タッグということで、安部さん・葵さんに前作と変わったところを伺うと2人は顔を見合わせて「演出面ではあまり変わっていないですね。前回は監督が最年少でしたが、今回は現場が割と若くて英語が飛び交っているような感じでした」と振り返りました。

集団心中や、各自が複雑な背景を持つキャラクターということで撮影中、精神的に苦しくなかったか質問すると安部さんは「カットがかかってすぐ切り替わるタイプではありませんが、カメラが回っていないときはドンヨリしませんでしたね」と答え、清水監督も大きく頷きつつ、キャッキャという雰囲気でもなかったと加えました。葵さんが「それぞれがいろいろ抱えている役だから」と言い、「役としては死に近づきますが、どうしてそうなったのか自分で考える部分で難しくて、前回と同様に現場で作っていきました」と試行錯誤して演じたと話しました。完成した映画を観た感想について安部さんは「追加撮影が多かったのですが、追加したぶんだけ説得力が増しました。クラブのシーンは特にスゴい映画体験だなと思います」とアピールしました。

清水組初参加の田中光輔さん「コレ撮れる?」廣中太河さん「読み込まないと」脚本の第一印象を語る

清水友翔監督作品に初参加の田中光輔さん、廣中太河さんに脚本を読んだ第一印象を聞くと、田中さんは「いろいろ脚本が改稿されていますが、技術的なことを含めてコレ撮れるのかなと思いました」と率直に話しました。脚本はおよそ30稿まで改定されたそうで、清水監督は「何度も書き直すと、いろんな意見が反映されて心情を深める表現が深まるなどより良くなります」と加えました。廣中さんは脚本を読んだ時に「読み込まないと!」と実際に何度も読んだそうです。脚本に書かれていない役の背景について、清水監督に質問したりディスカッションしたりして進めたと加えました。

雨無の親友の細かなキャラクターは特に劇中でも人物の背景が明確に描かれないので大変だったのでは…と聞くと、能津を演じた田中さんは「監督に自分のままでいいよ、といわれて逆に自分って何だろうと能津を通して僕自身の中にあるものについて考えてしまいましたね」と振り返る様子から、自分と向き合う時間だったことが伝わってきました。対して服部を演じた廣中さんは基本的に監督と話した後は現場で表現するタイプのようで「僕の場合は爆発。演じたその時を覚えていないこともあるんですよ」と対照的な芝居のスタンスを話しました。

映画『トーキョーナイトフォール』の劇中で登場人物達の喫煙シーンが印象に残ります。清水監督にその意図を尋ねると「自分が煙草を吸うから脚本に書くのか分からないですが、社会の陰にいる物語を撮っているので煙草のイメージが近いのかもしれません」と話しました。煙草の煙が、さまざまな悩みを抱えている人の気持ちを吐き出す行為の暗示にもなっているようです。田中さんが「太河の吸って、喋って、息を吐いてからの煙がすごい、吸いが深い!」と言うと葵さんは頷きながら微笑み、安部さんも賛同しました。廣中さんの格好良い煙草シーンにご注目ください。

撮影時の雰囲気について安部さんは「青春」、田中さんが「最高」、清水監督は「きちんと監督しなくては…と思いつつ楽しくて、個人的に少し仲よくしすぎたかなと思っています」と表すように和気あいあいとしたよいチームだったことが想像できます。結びに清水監督は「東海地方では岐阜のCINEX(シネックス)の公開が決定してます。前作の『僕の中に咲く花火』では岐阜が舞台でしたが、本作は自分が上京したことと合わせて、東京が舞台となっています。両作品とも別の物語として制作しましたが、似た世界線にある映画なので、前作を観ていただいた方にも東海の皆さまにも楽しんでいただける映画だと思います」と声を強めました。作中で夕方の時報放送で流れる「夕焼け小焼け」のシーンなど前作と繋がるところを探すのも一興でしょう。ノスタルジックな雰囲気のあるCINEXで、東京のナイトクラブの映画『トーキョーナイトフォール』を鑑賞するのも味があると思います。ぜひご来館ください。

6月24日開幕の英:レインダンス映画祭に出品&国際長編部門最優秀賞作品にノミネート 清水友翔監督と出演者たちが現地へ‼

映画『トーキョーナイトフォール』は、世界でもっとも有名なインディペンデント映画の一つである英:レインダンス映画祭で、ワールドプレミア&国際長編部門最優秀賞作品にノミネートされ、ワールドプレミア上映の舞台挨拶に清水友翔監督と葵うたのさん、田中光輔さん、廣中太河さんが登壇しました。

レインダンス映画祭は、『ギルバート・グレイプ』(1993年)、『メメント』(2000年)など多くの注目作のプレミアを成功させ、世界の頂に立つ巨匠たち…例えばタランティーノ監督などが無名時代に初期作品を出品したことで知られる映画祭です。映画『トーキョーナイトフォール』がノミネートされたことで、世界への足がかりも盤石。惜しくも受賞は逃しましたが、現地の映画ファンに好意的に評価されました。今後も清水友翔監督の活躍に目が離せないですね。

作品詳細

映画『トーキョーナイトフォール』

2026年7月31日(金)」よりヒューマントラストシネマ渋谷など全国順次公開 東海圏では岐阜CINEXで公開

監督・脚本:清水友翔

プロデューサー:落合賢

出演:安部伊織、葵うたの、田中光輔、廣中太河、漢 a.k.a. GAMI、梵頭、盛島大幹、大瀧彩乃、吉岡苑恵、田隈海凪、弓場慎吾、アイザック

映画『トーキョーナイトフォール』公式サイト

(c) Arct’4 Film Inc.

 

 


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