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2026-07-08

宮崎駿監督がジブリパークに贈った31の世界 「パノラマボックス展」開幕 「時の回廊」をモチーフにした展示空間


 

7月8日(水)からジブリパーク(愛知県長久手市)の「ジブリの大倉庫」企画展示室で、新企画展示「パノラマボックス展」が始まりました。開業から3年半となったジブリパークの新たな企画展示は宮崎駿監督が長年制作を続けてきた31点のパノラマボックスを一堂に楽しむことができます。『風の谷のナウシカ』から『君たちはどう生きるか』までの長編アニメーション作品や三鷹の森ジブリ美術館やジブリパークでのみ上映される短編アニメーション作品、オリジナル新作を題材にしたパノラマボックスは宮崎駿監督による書き下ろしです。

一般公開の前日に、報道陣向け内覧会と記者会見が行われ、展示監修を務めた宮崎吾朗監督が登壇。展示誕生の舞台裏や、宮崎駿監督ならではの創作への思いを語りました。(取材日:2026年7月7日)

ジブリパークのチケットは予約制・9月入場分のチケットは7月10日14時から販売・チケットの種類と料金

「これは宮崎駿の頭の中を巡る展示」――パノラマボックス展は『君たちはどう生きるか』の「時の回廊」をモチーフにした展示空間

ジブリパーク(愛知県長久手市)の「ジブリの大倉庫」企画展示室で開催される「パノラマボックス展」では、宮崎駿監督が3年半にわたり制作を続けてきたパノラマボックス31点が一同に展示されます。宮崎吾朗監督は、展示が誕生した経緯について、「宮崎駿という人は、ジブリパークの建設には基本的にタッチしていなかった」と振り返ります。一方で、「本人としては、どこか気に入らないところもあったのでしょう。何とか自分の爪痕を残したいと思っていた」と語り、『君たちはどう生きるか』の制作終盤には「これはジブリパークのために作ってやる」と話していたことを明かしました。その言葉がきっかけとなり、この展示が実現したといいます。

展示空間のモチーフとなったのは、『君たちはどう生きるか』で眞人とヒミが迷い込む「時の回廊」。劇中では、無数の扉がさまざまな世界へとつながっており、それぞれの扉には数字が記されていて、その番号は連番ではなく、規則性もありません。会場となるジブリの大倉庫の企画展示室の「パノラマボックス展」も、規則性なく番号が付けられた扉がずらりと並んでいます。

この演出は、展示制作の川上哲也さんが考案したものだそうで、吾朗監督は「『風の谷のナウシカ』から最新作まで31点並ぶので、『これは宮崎駿の頭の中を巡る展示になる』と考え、『君たちはどう生きるか』の『時の回廊』を使ったら面白いんじゃないか、と提案してくれました」と、その誕生秘話を紹介しました。

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「大人は31回しゃがんで見てほしい」――のぞき込むことで初めて見えてくる宮崎駿監督の空間表現

「パノラマボックス展」では、ポスターのイラストにあるような番号が記された扉がずらりと並び、扉の中央にある小さな窓を横にスライドさせると、その奥にパノラマボックスが現れます。

「パノラマボックス展」ポスター
© Studio Ghibli

まるで自分で作品世界への扉を開くような演出も、この展示ならではの楽しみです。そしてパノラマボックスをのぞき込むと、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『君たちはどう生きるか』など、宮崎駿監督が描いてきた様々な世界が立体的に広がっています。背景とキャラクター、立体物、様々な画が立体的に組み合わさり、のぞき込む角度によって、見えてくる世界が変わる楽しさをぜひ体感してみてください。目線を作品と同じ高さまで下げてのぞき込むと、小さな箱の中に広がる世界は、まるで映画の中へ入り込んだかのような奥行きを見せてくれます。

宮崎吾朗監督は、「宮崎駿という人は、平面の絵を重ねることで立体空間を作っている。その秘密が、このパノラマボックスを見るとよく分かる」と語ります。映画では一瞬で過ぎていく背景や奥行きの表現を、小さな箱の中でじっくり味わえることもこの展示の魅力です。展示ののぞき窓は、子どもや車いす利用者でも見やすいよう低めの位置に設置されています。吾朗監督は「上から見下ろして終わってしまうのでは、本当の面白さは分かりません。本当に面白いのは、窓の中に頭を突っ込むようにして見ること」と話し、「大人の方は、ぜひ31回しゃがんで見てほしい」と来場者へメッセージを送りました。

「映画にはいない鬼が現れる?」―― 映画の世界を巡るのではなく、宮崎駿監督の想像力を巡る旅へ

31点のパノラマボックスは、それぞれに「ワァーごめん」「ねむいよー」といった親しみやすいタイトルが付けられているのも特徴です。会見では、このタイトルについて質問が寄せられ、吾朗監督は「宮崎駿が付けたタイトルです。小さい子が読んでも分かるようなタイトルなんじゃないかな。仰々しいタイトルではなく、見れば分かる内容になっています」と説明しました。また、パノラマボックスは映画のワンシーンを忠実に立体化したものというわけではありません。『千と千尋の神隠し』のパノラマボックス「鬼のふろ屋」には、映画には登場しない赤鬼や青鬼が描かれています。

『千と千尋の神隠し』/鬼のふろ屋
© 2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM

吾朗監督は「決して映画の世界をそのまま再現しようとしているわけではない」と話し、「作ったときのことを忘れてしまって本を引っ張り出すこともある。でも、映画を再現するのではなく、今、自分が描いて面白いと思えるものを取り入れている」と駿監督の創作の考え方を紹介。「大人が見ると『なんで?』と思うものもあります。でも子どもは何の抵抗もなく『面白いね』と言ってくれる」と笑顔を見せました。

映画の世界を忠実に再現するのではなく、新しい発想を自由に描き加える――。31点のパノラマボックスには、宮崎駿監督の創作の原点ともいえる遊び心が息づいています。『風の谷のナウシカ』から『君たちはどう生きるか』まで、作品を知る人ほど新たな発見があり、初めて訪れる人でも宮崎駿監督の創作の楽しさに触れられるはずです。ジブリの大倉庫の企画展示室で、ぜひ31の扉を開き、その先に広がる豊かな世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

「ジブリがいっぱい展」とネコバスもリニューアル!?フワフワの座り心地をチェック!

企画展示室の「パノラマボックス展」に続く展示である「ジブリがいっぱい展」は開園以来、開催していますが、 7月8日(水)より展示がリニューアルして公開されます。高畑勲監督や宮﨑駿監督とともにジブリの設立に参加し、数々の作品を世に送り出した鈴木敏夫プロデューサーにまつわる展示が新たに加わります。ジブリの各作品は多くの方々に親しまれてきたのか。アニメーション映画制作における企画段階から宣伝・プロモーションにいたるまでのプロセスを鈴木プロデューサーの手書き資料なども見ることができます。

そして、企画展示室内のネコバスにも注目!見た目には変わっていないように見えますが、リニューアルしているそうです。企画展示室内のネコバスは大人も子供も、ネコバスの中に入れるスポットとして人気ですが、座席シートに座ってみてビックリ!?アレ?こんなにフワフワでしたか?

スタッフの方に聞いてみると、どうやら座席シートが変わったそうです。以前よりもさらに、サツキとメイが感じたフワフワ感が体感できるようにリニューアルし、座席シート部分の毛足も長くなっているような気がします。ぜひ、座ってみてくださいね。

「パノラマボックス展」とは

会期: 2026 年 7 月 8 日(水)開幕 ※終了時期未定。当面の間、開催します。

会場: ジブリパーク・ジブリの大倉庫「企画展示室」

チケット: ジブリの大倉庫に入場できるチケットをご予約・購入ください。(ジブリパークのチケットは予約制。9月入場分のチケットは7月10日14時から販売。)チケットの種類と料金

※ジブリパーク 大さんぽ券プレミアム、ジブリパーク 大さんぽ券スタンダード、ジブリパーク ジブリの大倉庫の 3 券種です。

主催: ジブリパーク

企画制作協力:スタジオジブリ

「パノラマボックス展」制作者

企画・原案・原画: 宮﨑 駿

美術制作: 吉田 昇 高屋法子 西川洋一 林 孝輔

展示制作: 川上哲也 矢澤勇輝

展示施工: 有限会社 HAL 株式会社テルミック 株式会社ア・ファクトリー

株式会社スタジオジブリ

展示監修: 宮崎吾朗

施設概要

ジブリパーク

愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1 愛・地球博記念公園内

ジブリパーク公式ウェブサイト


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