「倍賞(美津子)さんと出会えてよかった」映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』大森立嗣監督に名古屋でインタビュー

2月22日(金)に公開となる映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』は宮川サトシさんのエッセイ漫画が原作で、安田顕さんが主人公、母親役を倍賞美津子さんが演じています。監督・脚本をつとめた大森立嗣さんが名古屋でインタビューに応じてくれました。
脚本の苦労は少なかったと語る大森立嗣監督は「お母さんががんを告知されてから亡くなるまで、どうやって見届けるかということ、亡くなった後にそれをどうやって受け止めていくかという2つのパートで構成されています」と話しました。1人称のエッセイを映画化するにあたって「お母さんが思っていることをちゃんと描いたり、周りにちゃんと他者がいるということを描けば映画になるのではないかなと思いました」と述べ、死んでいく人の想いと父親や兄など主人公以外の登場人物も描くことで、主人公が全てではないという映画にしたと語りました。映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』は、死は人生の終わりではなく、死が日常の延長線上にあって、誰もがそれを経験しなければならないんだと感じる作品です。
主人公は幼い頃から様々な場面でパワフルな母親に助けられてきていて、母親への強い愛情を持っているキャラクターです。クランクインの前に大森監督は主演の安田さんに「あまり準備をし過ぎずに、現場で感じることを優先してください」と伝えたそうで「安田さんは『僕が今までやってきたアプローチとは全然違いますが、やってみます』と言っていました」と教えてくれました。撮影現場の様子を聞くと「(安田さんは)少し泣くことを抑制していた感じはありました」と話し、「お客さんの気持ちがついてきていない時に主人公が泣いてしまうと冷めてしまうかもしれないので、気にしながら演じていました」と感情の出し方を調整していたことを明かしました。
母親役の倍賞さんは主人公の幼少期から最期の時までを演じています。大森監督は「賠償さんと仕事がしたいという思いがあって、この作品で出会えてよかったなと思いました」と感想を述べました。「(倍賞さんは)ありのままを見て欲しいと言うタイプの俳優さんです」と話し、病に侵されてからの姿もメイクなどで作りこむことなく演じ切っています。大森監督は「倍賞さんのシーンの撮影が終わっても撮影現場に戻ってきて『みんなが終わるまで見ている』と言っていたりする様子を見て、どんどん好きになりました」と撮影以外の時間にも倍賞さんのチャーミングさを感じていたと教えてくれました。