千原ジュニアさんと平尾菜々花さんが怪演!映画『ごっこ』熊澤尚人監督に名古屋でインタビュー

10月20日から公開となる映画『ごっこ』は千原ジュニアさんが演じる40歳目前で引きこもりのニートの男と平尾菜々花さん演じる5歳のヨヨ子がある秘密を抱えて一緒に暮らすことになる物語です。本作の監督をつとめた名古屋市出身の熊澤尚人さんが名古屋でインタビューに応じてくれました。
2016年に逝去した漫画家・小路啓之さんによる同名漫画が原作で、2011年から2012年にかけて全3巻が刊行されています。熊澤尚人監督は原作漫画を初めて読んだときに衝撃を受けたそうで「すごくポップでアート的だけど、社会の闇、不正受給、児童虐待などを題材に取り入れている感じが唯一無二な作品感を作っています。」と話しました。映画としてはリアルな人間の息遣いが感じられる人間ドラマとして、主人公が人間的に成長する話を描きたいと考えたそうで「大きな流れは原作通りだけれど、お話自体もテイストについても漫画らしくではなく、映画らしくマイナーチェンジさせて描いていきました。」と語っていました。
熊澤監督はこれまでに漫画原作の映画『君に届け』(2010年公開)やアニメ映画をベースとした実写映画『心が叫びたがってるんだ。』(2017年公開)を手掛けてきています。元のビジュアルをそのまま映像化するアプローチもあると言いながら「原作者の先生がやりたかったテーマや想いを実写版だとこうなりますよねとできるのがリスペクトにつながると思ってやっています。」と話していました。原作者の小路啓之さんは2年前の10月20日に心筋梗塞で急逝していて、映画『ごっこ』の公開日が偶然にも小路さんの命日となっています。
映画『ごっこ』の主人公は上手く生きることができない引きこもりのニートの男です。熊澤監督は「原作(の主人公)には危ない感じはあまりないのですが、(映画化にあたって)社会不適合者的な危うさやどうなるかわからない感じはキーになると思っていました。」と話していました。脚本を書いている段階から千原ジュニアさんをイメージしてアテ書きをしていたそうで、豊田利晃監督の『ポルノスター』(1998年公開)や『岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇』(1997年公開)の印象が残っていたと話し「闇の部分を背負っている人物を描くのにジュニアさんしかいないなと思いました。」と語りました。
熊澤監督はジュニアさんに「あまりお芝居しようとしなくて大丈夫ですよ」と伝えていて、「現場に立って感じるフィーリングを大切にしてもらいました。」と話していました。あまりリハーサルを重ねずに、1テイク目に集中して撮影したそうで「(ジュニアさんはそのほうが)二度とできないことをやってくれる人なんですよね」と教えてくれました。現場でのジュニアさんの様子について「一人で考えられている時間もあって、とてもまじめな方でした。」と言い、ジュニアさんがみせるヨヨ子と向き合って怒りが増してくる鬼の形相や物語のクライマックスでの驚きと悲しみが混ざり合った表情を絶賛していました。熊澤監督は「期待以上にジュニアさんが危険な部分をはらみながらヨヨ子とどうなるのか、狙い以上に跳ねてジャンプしてくれた部分なので凄くよかったですよ。」と話していました。
映画『ごっこ』で千原ジュニアさん演じる男と一緒に暮らすことになる5歳の幼女・ヨヨ子を演じたのは、撮影当時9歳だった女優の平尾菜々花さんです。ヨヨ子の子供の狡さや身勝手さ、我の強さをお芝居で表現できる子を探していたそうで、実際に5歳の子では難しく9歳くらいが狙い目だと思っていたそうです。熊澤監督はオーディションで100人以上の子供にあったと話し、「抜群にひとりだけ天才がいて、子役芝居ではなく自然なお芝居をしていました。」と平尾さんとの出会いを教えてくれました。映画の中で5歳にしては大人びた表情を見せますが、秘密を抱えているヨヨ子をしっかりと演じていて、ジュニアさんと向き合うシーンは凄みを感じました。
『ごっこ』を皮切りに熊澤監督作品への出演が続いている平尾さんは『ユリゴコロ』では吉高由里子さんの子供時代、『心が叫びたがってるんだ。』では芳根京子さんの子供時代を演じています。映画『ごっこ』の撮影は2015年~2016年にかけて行われていて、最近、12歳に成長した平尾さんに会ったという熊澤監督に今後の監督作品への出演について聞いてみたところ「大人の女の子になってきています。10代の青春映画を撮ることがあれば。信頼できる、安心できる女優さんなので。」と平尾さんへの期待を語りました。