東出昌大さんが1人2役!映画『寝ても覚めても』東出さんと濱口竜介監督に名古屋でインタビュー

9月1日に公開した映画『寝ても覚めても』は芥川賞作家・柴崎友香さんによる恋愛小説が原作で、同じ顔をしたタイプの異なる2人の男性と一人の女性の8年に渡る恋愛模様が描かれています。1人2役を演じた東出昌大さんと監督を務めた濱口竜介さんに名古屋でインタビューしました。
監督を務めた濱口竜介さんは「柴崎さんの視覚的な文体に惹かれました。」と話し、映画化する際に「映画は映画なので、小説の文章をそのまま再現するようなことはしないと決めていました。」と注意したことを教えてくれました。また「原作を読んだときに驚きながらページをめくっていたような精神状態を(映画でも)同じように感じてもらえるように気をつけていました。」といっていた通り、映画は最後まで展開が読めず、ヒロインの行動や恋の行方から目を離すことができない内容です。
4年前に原作小説を読んだという東出さんは1人2役で演じたそれぞれのキャラクターについて「麦は爬虫類的というか目の前に邪魔なものが来たら何の遠慮もなく排除する、ちょっと超人的な存在なのかなと僕は思いました。亮平については原作とは印象が少し変わって、すごく優しい人で、人に強く出られないところから来る優しさや包容力のある好青年だなと思って演じていました。」と話していました。
2役の演じ分けについては濱口監督からワークショップの際に作為的な演じ分けは必要ないと言われ、東出さんは「同じ映画のタイトル、スタッフは一緒だけど同時期に2本の作品を撮っているかのような感覚でした。」と2役を演じたことを振り返っていました。
撮影前に行われたワークショップでは感情的なニュアンスを抜いて、何度も何度もセリフを言うことを繰り返したそうです。東出さんは濱口監督が声にこだわりを持っていたことを話し、監督のイメージする声を出すために試行錯誤したことを明かしました。
また撮影においても「他の現場では必ずしなさいと言われることを今回は無視していいですと言われる機会が多かったです。」と話し、画の繋がりよりも感情による動きを優先させていたことを教えてくれました。朝子にプロポーズをするシーンでの亮平の動きについて東出さんは「あの場面で生まれたものです。」と話し、濱口監督も「あの手がOKの決め手だったと思います。」と撮影現場の様子を交えて話してくれました。
映画『寝ても覚めても』は観客自身の恋愛経験や恋愛観が浮き彫りになる大人の恋愛映画で、観終わった後に朝子の行動や自分の恋愛観、その後の彼らについてなどを語りたくなります。ラストカットについて濱口監督は「結論というよりはあくまで二人の現在地。あそこで終わることで観客の恋愛感や人生観が映画と一つに混ざり合うことを期待しています。」と話し、東出さんは最後に流れるtofubeatsさんの「RIVER」の歌詞を挙げながら「刹那だからこその幸せもあるんだな。」と語りました。