toggle
2018-08-23

映画『泣き虫しょったんの奇跡』松田龍平さんと豊田利晃監督に名古屋でインタビュー


 

9月7日より公開となる映画『泣き虫しょったんの奇跡』はサラリーマンからプロ棋士編入という偉業を成し遂げた瀬川晶司五段の自伝を映画化した作品です。本作では松田龍平さんが青年時代以降の瀬川さんを演じ、松田さんの映画初主演作である『青い春』でタッグを組んだ豊田利晃さんが脚本・監督をつとめています。松田さんと豊田監督に名古屋でインタビューをすることができました。

プロ棋士を目指す若者のための養成機関である奨励会に在籍していた経験のある豊田監督ならではの視点や松田さんが撮影現場で感じたこと、共演者とのエピソードなどを語ってくれました。(取材日:2018年7月12日)

※9月5日追記

公開3日目となる9月9日(日)に名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで舞台挨拶が行われることが決まりました。開催概要や登壇者に関する情報、チケット販売方法をご紹介します。

 

9月9日の名古屋での舞台挨拶レポートはこちらで

名古屋にキャスト勢揃い!映画『泣き虫しょったんの奇跡』舞台挨拶で「おつかれサマー!」

スポンサーリンク




奨励会員としての経験がある豊田利晃監督が描く棋士の世界

9月7日に公開となる映画『泣き虫しょったんの奇跡』は実在する現役プロ棋士である瀬川晶司五段の自伝が原作です。瀬川棋士は中学3年生からプロ棋士養成機関である奨励会で将棋漬けの日々を過ごしますが、26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段に昇格できない場合は奨励会を退会し、二度とプロ棋士にはなれないという規定によって、一度はプロ棋士への夢を諦めます。その後、サラリーマンを経て、前代未聞のプロ編入試験に合格するという偉業を成し遂げました。


自身も高校在学中まで奨励会員だったという豊田監督は「挫折して(将棋を)辞めた人間なので、そこに向かいあうのは辛い行為なんです。」とこれまで将棋をテーマにした作品を撮ってこなかった理由を明かし、原作を読んだ時に感じたこととして「好きなことを追い求めて憎しみに変わってしまった想いを愛に変えて成功したのが瀬川晶司さんの人生で、美しいなと思いました。将棋が好きな人だけでなくて、万人に受け入れられるテーマではないかなと思いました。」と映画化を決めた気持ちを語りました。


また豊田監督は「奨励会員ってだいたい同じような青春の過ごし方をしているんですよ。」と言い、映画には自身の体験も存分に反映されているそうで「僕は落第生で負けてばかりいてプロになれなかったんですが、負けた奴の過ごし方とか表情とか、そういうところは繊細に描いたと思います。」と話しました。

スポンサーリンク

こだわったのは棋士の手つきと対局シーン

将棋を指すときの手つきには特別にこだわったという豊田監督は「松田さん以外にも全ての俳優さんに、手つきで本物か偽物かがバレるので頑張ってやってくださいとお願いしました。」と話し、対局シーンの撮影にはかなり力を入れていたそうです。キャスト陣は撮影前から将棋の練習に取り組んでいたのですが、撮影中も原作者の瀬川さんがずっと現場にいてくれたのが心強かったそうです。瀬川さんは本作に喫茶店のマスター役で出演していて、松田さんは「瀬川さんばかり見てしまって、ありがたいと思いながら、初めての経験だった。」と共演シーンの思い出を振り返っていました。


対局シーンを盛り上げる要素のひとつで音楽についての質問に豊田監督は「名古屋のヒーロー照井利幸ですね。照井さんのアルペジオを駆使したコツコツやっている音楽と将棋をコツコツ勉強する姿が重なって、照井さんがぴったりだと思いました。」と音楽をお願いした理由を教えてくれました。



エンドロール後のカットに込められた豊田監督の想い

映画冒頭のタイトルバックのカットは将棋盤に駒を広げていくという将棋の映画ならではの趣のあるもので、手元は瀬川さんにお願いしたそうです。そして、エンドロール後の駒を盤に置くカットの手元を豊田監督自身がつとめた理由を聞くと「最後の一発は俺が一番手つきが上手いのを知らしめてやろう(と思った)」と冗談っぽく言いながら「あの駒は奨励会に入会するときに駒師に彫ってもらったものだった。」と思い出のある駒を持参して撮影に臨んだことを教えてくれました。
エンドロール後のワンカットに登場する駒には「いつまでもチャレンジャーで」という豊田監督の気持ちが込められていることを教えてくれました。劇場ではエンドロール後まで席を立たずに最後に登場する駒をしっかりと確認してくださいね。

スポンサーリンク

将棋が一番強い共演者と一番将棋にはまった共演者は?

本作では瀬川さんを取り巻く人々との人間ドラマが丁寧に描かれていて、奨励会時代、退会後の日々、プロ編入に向けて動き出してからなど、様々なシーンで周囲の人があったからこその奇跡を感じさせてくれます。特に松たか子さん演じる小学校時代の恩師は原作でも重要な人物として登場し、映画では小学校時代のエピソードや物語の後半でも大きな存在感とともに色濃く描かれています。

撮影現場の様子について松田さんは「役者同士で将棋を指していました。(僕は)あんまり負けたくないから対局しませんでしたが、みんな将棋にはまっていました。」と話し、奨励会の仲間役を演じた駒木根隆介さんはもともと将棋が趣味で一番強かったこと、渋川清彦さんとは同じくらいのレベルだったのでよく指していたこと、永山絢斗さんが一番成長し、今でもはまっていることなどを教えてくれました。

スポンサーリンク

野田洋次郎さんや石橋静河さんとの共演を振り返り

本作に出演している野田洋次郎さんとプライベートでも交流のある松田さんは「はじめのシーンで(野田さん演じる鈴木悠野に)声をかけるのが、日常と芝居との境界線がない感じで面白かった。笑いが堪えられなくなって、豊田さんに怒られました。」と撮影中のエピソードを語りました。豊田監督も「なんか、恥ずかしそうでしたよね。照れ臭そうな。そういうのが抜けたときにプライベートでも仲が良いというのがこの映画の強味になりましたよね。」と話していました。


また豊田監督が「(会社での同僚役の)石橋静河さんも龍平は幼い頃から知っていて、照れていたよね。」と話し始めると、松田さんは「よく石橋(凌)さんの家に行って、(石橋)静河のことをおんぶしたりしていたので、お姉さんになってキレイだなぁと感じました。」と教えてくれました。

スポンサーリンク

9月9日に名古屋で『泣き虫しょったんの奇跡』公開記念舞台挨拶!

映画『泣き虫しょったんの奇跡』公開3日目となる9月9日(日)に名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで舞台挨拶が行われることが決まりました。主演の松田龍平さん、棋士仲間を演じた渋川清彦さん、新井浩文さん、子供時代の瀬川さんを演じた窪塚愛流さん、豊田利晃監督の登壇が予定されています。チケット販売は9月6日からスタートです。

日時:9月9日(日) 10:40の回(上映終了後の舞台挨拶)

会場:ミッドランドスクエアシネマ

Address:名古屋市中村区名駅4-7-1 ミッドランドスクエア5F

名古屋市中村区名駅4-7-1

 

登壇者:松田龍平、渋川清彦、新井浩文、窪塚愛流、豊田利晃監督
※登壇者は変更になることもございますので、あらかじめご了承ください。

チケット販売:

【PC・スマートフォン】9月6日(木)0:00~(=9月5日(水) 24:00~)

チケットの購入はこちらから

【劇場窓口】9月6日(木) 各劇場オープン時~

(PC・スマートフォン販売にて完売した場合は、チケット窓口での販売はございません。)

 

群馬のディープスポットも!?映画『榎田貿易堂』渋川清彦さん、飯塚健監督 名古屋公開初日舞台挨拶

映画『羊と鋼の森』ピアニスト姉妹役で出演の上白石萌音さん・萌歌さん姉妹に名古屋でインタビュー

スポンサーリンク

作品情報

映画『泣き虫しょったんの奇跡』

公開時期:2018年9月7日(金)

出演者:松田龍平、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼

監督・脚本:豊田利晃

音楽:照井利幸

原作:瀬川晶司「泣き虫しょったんの奇跡」(講談社文庫刊)

©2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 ©瀬川晶司/講談社

スポンサーリンク
関連記事