【5/19公開】映画『モリのいる場所』沖田修一監督に名古屋でインタビュー 愛知・名古屋の上映館
5月19日から公開となる映画『モリのいる場所』は『南極料理人』や『横道世之介』などで知られる沖田修一監督によるオリジナル脚本の作品で、実在の画家・熊谷守一さんの晩年のある一日を描いています。モリという愛称で親しまれていた熊谷さんを演じるのは山﨑努さん、モリに50年以上連れ添っている妻を演じるのは樹木希林さんです。
メガホンをとった沖田監督に名古屋でインタビューをすることができました。山﨑さんへの憧れの気持ちや撮影現場で感じたこと、樹木さんが様々なアイディアを出してくれたことなど、撮影の裏話も含めて映画の魅力をたくさん語ってくれました。映画『モリのいる場所』が愛知・名古屋で観られる映画館の情報とあわせてご紹介します。(取材日:2018年4月3日)
Contents
DVDの発売予定日は2018年11月22日(ただいま予約受付中)
映画『モリのいる場所』誕生のきっかけは山﨑努さんの一言と藤森武さんの写真集
沖田監督は2012年に公開された映画『キツツキと雨』の撮影中に出演していた山﨑努さんから現場の近くに熊谷守一さんの記念館があることを教えてもらったそうです。映画が落ち着いてから東京で山﨑さんの言葉を思い出して東京の記念館を訪れ、写真家の藤森武さんが晩年の熊谷守一さんを撮影した写真集「獨楽」に興味を持ったという沖田監督は「その時点では映画にする事はあまり考えていなかったけれど、いつか山﨑さんともう一度お仕事をしたいと思っていた。」と話していました。
スポンサーリンク『モヒカン故郷に帰る』(2016年公開)の撮影が終わった頃に、沖田監督が「熊谷守一さんを山﨑努さんに演じてもらう企画」を考えて台本を描き、書き上げた台本を持参して山﨑さんのところに持って行ったそうです。
山﨑さんは台本をいたく気に入ったようで「ある一日の話にしていることをよく思ってくださり、やり過ぎだなと思ったところもあったのですが、元々アカデミックな映画ではないので遊びみたいなことを面白がってくれました。」と、とんとん拍子に話が進んだことを教えてくれました。
モリの生き方と「あったかもしれない一日」を描く
実在した人物を描いた本作ですが、沖田監督は「自伝的なことや美術的なものを掘り下げようという意識はなく、藤森さんの撮った写真集の守一さんの生き方に興味がありました。」と話していました。
スポンサーリンクモリは晩年の30年ほどの間、家の敷地から外に出ることなく、たくさんの生き物が暮らす家の庭をこよなく愛し、庭に息づく命を見つめ続けていたそうです。沖田監督はモリという人に興味を持ってもらえるように「文献を読んで面白いなと思うエピソードはたくさん盛り込んで、あったかもしれない一日を想像してフィクションとして作り上げました。」と語っていました。沖田監督が調べた文献に「昼はうどんかパン」と書いてあったことから、箸が滑ってカレーうどんが食べられないモリの可愛らしい描写が生まれたことも教えてくれました。
初共演の山﨑努さんと樹木希林さんがつくる夫婦の空気感が素晴らしい
山﨑さんと樹木さんは共に文学座出身ですが、今作が初共演となります。沖田監督は撮影を振り返り「山﨑さんと樹木さんが並んでいるだけで他に何もいらない位、ただただ楽しかったです。」と笑顔を見せていました。
「山﨑さんはユーモアのセンスがとてもあって、台本の面白さを忠実に演じ、どうしたら笑えるかを一生懸命考えてくれる役者さんです。」と話し、「(山﨑さんが監督に)『これをやると台本の面白さなくなっちゃうよ。いいのかい?』というような注意までしてくれました。」と台本を読み込んで相当準備をされていて、どんなセリフもドンピシャに演じてくれた山﨑さんの素晴らしさを語ってくれました。
また沖田監督は「樹木さんは様々なアイディアを持ってきてくれて、樹木さんのアイディアが映画をもっとよくしてくれているなと思いました。」と話し、樹木さんのアイディアが活かされたシーンもいくつか教えてくれました。
晩年の熊谷さんを撮影したカメラマンの藤森さんに話を聞きに行った沖田監督は「(実際の2人は)痴話喧嘩みたいなものを普段からよくしていたという話を聞いて、息が合わない面白さがいいなと思いました。」と話していました。映画『モリのいる場所』では山﨑さんと樹木さんが長年連れ添った夫婦の空気感を見事に演じていています。
スポンサーリンクシネコンのスクリーンで山﨑努さんと虫のアップが観たい!
「山﨑努さんが熊谷守一さんを演じる映画を作りたい一心だった。」と話す沖田監督ですが、映画『モリのいる場所』のもう一つの魅力は家の庭にいる生き物たちです。大きなスクリーンに映るアリやトカゲ、蝶などの姿をじっくりと観ていると、まるでその庭にいてモリと同じ視線で生き物を観察しているような気分になります。
生き物の撮影についてお聞きすると、「話すとすごく長くなるのですが」と前置きをしながら、様々な裏話を教えてくれました。撮影のロケ地である民家には多くの虫が集まり、蝶の通り道でもあったのですが、ただそのままの庭を撮影したわけではないそうです。アリの行列を作るために有名な教授に相談をして餌付けをしたり、蝶を撮影するために飛ぶ方向をコントロールしようとしたりと様々な苦労があったようです。撮影用に様々な昆虫などの生き物を持ち込んだそうですが、沖田監督は「結局、良い演技をしたのはあの庭にいた生き物たちでした。庭に馴染んでいるんです。」と話していました。
生き物担当のスタッフ加藤くんはロケ地に泊まり込み、アリが芝居しやすい環境を作ったり、昆虫を捕まえたり、小鳥の世話をしたりと、とても頑張ってくれたことを教えてくれました。「(撮影期間は一ヶ月程ですが、)一日の話なので草木も成長しないようにしていました。」と話し、生き物だけでなく植物の状態にも気を配っていたことを教えてくれました。「山﨑努さんと虫という画を狙いたいという気持ちが強かった。」と話す沖田監督の言葉の通り、スクリーンには「生きる」ということをテーマにした魅力的な画が溢れています。生き物が発する音にも耳を澄ましながら観てくださいね!
スポンサーリンク『モリのいる場所』が観られる愛知・名古屋の映画館
Address:名古屋市中村区名駅四丁目7番1号 ミッドランドスクエア5階
5月26日に樹木希林さんが登壇する舞台挨拶の開催が決定!
日時:5月26日(土) 9:55~の回(上映終了後 舞台挨拶)
会場:ミッドランドスクエアシネマ 3番スクリーン(名古屋駅前 ミッドランドスクエア商業棟5階)
登壇者:樹木希林さん、阿武野勝彦さん<東海テレビ『人生フルーツ』プロデューサー>(敬称略)
チケット料金:通常料金(一般:1,800円 大学生・専門学生:1,500円 シニア(60歳以上):1,100円 3歳以上高校生以下:1,000円)
※前売券・各種引換券はご使用できます。 ※特別上映につき、各種招待券・株主優待券・会員クーポンはご利用できません。
チケット販売 → インターネット、窓口で販売中(5/25 12時の時点で残席アリ)
インターネットチケット購入はこちら
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Address:愛知県名古屋市緑区南大高二丁目450番地 イオンモール大高1F
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Address:愛知県名古屋市港区西茶屋2丁目11 イオンモール名古屋茶屋4F
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Address:名古屋市西区二方町47 mozo ワンダーシティ内
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Address:愛知県長久手市長久手中央土地区画整理事業地内5・10・11街区 イオンモール長久手4F
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Address:愛知県豊田市喜多町二丁目170番地?KiTARA 5F
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Address:愛知県岡崎市戸崎町字大道西20番 イオンモール岡崎ショッピングセンター内
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作品概要
2018年5月19日 全国公開
ストーリー
画家の守一(山崎努)は、草木が生え、いろいろな種類の生きものが住み着く自宅の庭を眺めることを30年以上日課にしていた。妻と暮らす守一の家には、守一の写真を撮る若い写真家の藤田、看板を描いてもらおうとする温泉旅館の主人、隣人の夫婦など、来客がひっきりなしだった。
名優・山崎努が主演を務め、『横道世之介』などの沖田修一と『キツツキと雨』以来に組んだドラマ。亡くなるまでのおよそ30年にわたり、庭の動植物を観察して描き続けた洋画家・熊谷守一をモデルに、晩年のある夏の1日を描く。山崎に熊谷のことを聞き、老画家を主人公にしたオリジナルストーリーを作り上げた沖田の脚本と演出、自身が敬愛する画家にふんする山崎の演技に期待が高まる。
監督・脚本:沖田修一
出演 :山崎努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満、池谷のぶえ、きたろう、林与一、三上博史
オフィシャルサイト:http://mori-movie.com/
2018 年/日本/99 分/ビスタサイズ/5.1ch/カラー
配給:日活
制作:日活、ダブ
©2017「モリのいる場所」製作委員会
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