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2018-02-14

【2/17・名古屋公開】映画『ライオンは今夜死ぬ』諏訪敦彦監督に名古屋でインタビュー


 

2月17日より名古屋での上映が始まる映画『ライオンは今夜死ぬ』はフランスの名優ジャンピエール・レオーが主演を務めた日仏合作映画です。メガホンをとった諏訪敦彦監督に名古屋でインタビューをすることができました。

ジャン=ピエール・レオーは、1950年代末から1960年代初めにかけてフランスで起こったヌーヴェル・ヴァーグを代表する俳優です。フランソワ・トリュフォー監督作『大人は判ってくれない』(1959年)で主人公の少年を演じ、その後も連作で同じ人物を演じ続けました。

映画『ライオンは今夜死ぬ』はジャンピエール演じる老年の俳優が南仏での映画撮影の合間に亡くなったはずのかつての恋人ジュリエットに出会い、そこで知り合った子どもたちが作る映画に出演することになるという物語です。

諏訪監督とジャンピエールとの出会いや映画制作中の彼の様子、今作で観ることができるジャンピエールの新たな一面など、様々なお話を聞くことができました。(取材日:2018年1月10日)

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諏訪監督とジャンピエール・レオーとの出会い

2012年にフランスの映画祭で諏訪監督の全作品上映とジャンピエール・レオーの特集上映が行われた際に、諏訪監督はジャンピエールと一緒に食事をすることができたそうです。実はジャンピエール側から事前に諏訪監督の作品を観たいと打診があったため全作品を送っていたそうで、諏訪監督の作品を気に入ってくれている様子をみせていたと話してくれました。「その場でちゃんとオファーはしていないと思うけれど、この人(ジャンピエール)を撮りたいなと思って、やりましょうと言ったと思う。彼もその(一緒に映画を作る)ことを前提で会いにきていて、監督を探しているという感じを受けた。」と当時の様子を振り返りました。

幽霊と子供たちとジャンピエール・レオーの映画

最初の出会いから数ヶ月後にパリで2回目の雑談をして、ジャンピエールに何を組み合わせていくのかを考えていったそうです。諏訪監督は普通の設定では成立しないと思い「最初に幽霊と暮してるというのが出てきた。」と話していました。また、諏訪監督は子供たちに映画作りを体験させるプログラムを行っていて「いつかこの子供たちをスタッフに雇い入れて一緒に映画を作れたらと思っていて、老人と子供で何か作れないかと思うようになった。」と教えてくれました。

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映画撮影中のジャンピエール・レオーの様子

撮影中のジャンピエールについて諏訪監督は「彼には全くリラックスする瞬間がなかった。」と答えました。「若い頃から不安で追い立てられて、失敗したらどうしようと震えているというのが彼のベースなのだということを改めて実感しました。不安であることが彼にとってのエネルギーなのかもしれない。」とジャンピエールの俳優としての様子を話してくれました。

 

子供たちが引き出したジャンピエール・レオーの新しい一面

子供たちとのシーンは台本がなく即興だったそうで、特にジャンピエールが子供たちと一緒に食事をしているシーンは「特別な瞬間だった。フランスのスタッフも『あんなジャンピエール見たことないね。』と話していた。」と諏訪監督が語りました。ジャンピエールと子供との会話があまりに自然でだったことについて諏訪監督は「あれを引き出してきたのは僕じゃなくて子供たちですよね。ジャンピエールの新しい顔見せることができたのはすごく良かったなと思います。」と答えました。

また諏訪監督は「(ジャンピエールの行動は)予測できないんですよ」と話し、子供たちだけでなく製作陣も驚かされる場面があったと教えてくれました。しかし「子供たちと即興やることを彼はとても緊張していたと思います。」とジャンピエールの気持ちを話し、決して楽しんでいなかったと思うと振り返りました。即興のシーンでのセリフは全てジャンピエールの本人から出てきたものなのですが、印象的なセリフがたくさんあります。

 

子供に影響を受けた何でもありの映画

映画『ライオンは今夜死ぬ』はこれまでの諏訪監督の作品に比べて「子供みたいに映画を作ろうと言う気になっているかもしれないですね。」と何でもOKな感じになっていると話し「子供から影響受けることなんてないと思ってましたけど、気がつくと相当影響受けているんじゃないかと思います。」と話しました。

子供の映画制作ワークショップを開催している諏訪監督に日本とフランスの子供の違いを聞いたところ「映画を作らせたら日本の子供もフランスの子供もやっている事はほぼ一緒です。」と話し「年齢が進んでいくとどんどん違いが出てきます。大学生で比べちゃうと全然違っている。この差を生み出しているものが何かを考えないといけないと思います。」と東京造形大学で5年間に渡って学長をつとめていた諏訪監督ならではの考えを話してくれました。

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作品概要

『ライオンは今夜死ぬ』

2月17日より伏見ミリオン座で公開

Address:名古屋市中区栄一丁目4-16

愛知県名古屋市栄1丁目4?16

出演: ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテン

監督・脚本: 諏訪敦彦

配給: ビターズ・エンド

2017年 / フランス=日本 / 103分 / ビスタ

http://www.bitters.co.jp/lion/

© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BAL THAZAR-BITTERS END

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