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2018-01-26

【2/3公開】映画『羊の木』吉田大八監督に名古屋でインタビュー 錦戸亮さんの〇〇を封印!?


 

2月3日に公開となる映画『羊の木』は『紙の月』『桐島、部活やめるってよ』など話題の映画を次々に発表している吉田大八監督による最新作です。
映画『羊の木』は仮釈放された元殺人犯を町で受け入れる国家プロジェクトに参加した過疎化が進む町が舞台です。さびれた港町に移住してきた元殺人犯の6人の男女が町に馴染めるように奔走する市役所職員を錦戸亮さんが演じています。町の人々が相手を元殺人犯と知りながら信じて受け入れることができるのかが描かれたヒューマン・サスペンスです。
山上たつひこさん、いがらしみきおさんによる原作のパワーを感じたという吉田大八監督に、映画完成までの道のりや主演をつとめた錦戸さんについてなどお話を聞いてきました。映画グッズのプレゼントもあります!応募方法もご紹介しています。(取材日:2017年12月21日)

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パワフルな原作の映画化とキャスティング

映画『羊の木』の原作は山上たつひこさん、いがらしみきおさんによる全5巻の漫画です。吉田監督は「混沌とした雰囲気が原作の魅力で、映画では設定と物語のスピリットを自分なりにつかみとったつもりです。」と話し、原作を意識しすぎることなく吉田監督なりのタッチを出しながら、「根っこにある部分だけつかんでおければ、外れることはないという自信がありました。」と漫画を参照しすぎずに脚色をしたことを教えてくれました。

映画『羊の木』は6名の移住者を含めて豪華な俳優さんがそろっているのですが、キャスティングについては、監督が仕事をしたい俳優さんに声をかけたそうす。「俳優さんが役に近づけてくれるし、現場でセリフをカットしたりもしました。」と監督と俳優さんで一緒に取り組んだ撮影の様子を話してくれました。

2年に渡る脚本作業の半ばで一旦白紙に戻した吉田監督

映画『羊の木』の脚本をつとめた脚本家の香川まさひとさんは2008年公開の映画『クヒオ大佐』でも吉田大八監督とタッグを組んでいました。『羊の木』の原作を読んだ吉田監督は「原作の強烈な世界観に一人で立ち向かうのはつらいなと感じ、香川さんが(原作漫画『羊の木』の著者である)山上さん、いがらしさんの大ファンだと知っていたので、原作を読んでもらって、香川さんが無理って言ったらもう止めようと思っていました。」と話していました。

月に1~2回、多い時で毎週集まって、香川さんが書いてきた脚本を最初から1行ずつ読んで精査し、修正箇所を挙げて書き直してもらうという作業を2年間くらい続けたそうです。

脚本の作業を始めて1年くらい経った頃、ほぼ脚本が完成し、もう一歩でキャスティングが始められるような感じだったそうです。今の形よりギャグが多く笑える内容だったようなのですが、その後に吉田監督の考えがガラッと変わってしまい、1か月後に集まった時に「1回全部捨てていい?」と言ったそうです。「ひどいことしているなとは思った。それ(一旦白紙にしたこと)で、この映画の形に近づけた。本当に苦労を掛けました。」と香川さんに苦労を掛けたことを振り返りながら、香川さんがどう思っているか聞きたいと話していました。

自身で脚本を書くこともある吉田監督ですが、映画『羊の木』においては、脚本はすべて香川さんに手を動かしてもらうことにしたことがよかったと、香川さんへの敬意を表していました。

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主演の錦戸亮さんのカッコよさを封印!

吉田監督はアイドルやミュージシャンとしての活動ではなく、俳優としてテレビや映画に出演する錦戸さんを見てオファーをしたそうです。現場での錦戸さんの様子を聞くと「現場の佇まいも普通で、東京ドームをいっぱいにするアイドルという印象はなかった。先頭になって大きな声を出して引っ張っていくタイプではないけれど、彼を中心に周りが動いていました。」と振り返っていました。撮影を終えてみての錦戸さんの印象については「自分の仕事に対する責任感もあり、尊敬できるなと思った。」と話していました。

錦戸さんは映画『羊の木』で移住者に翻弄される市役所職員という普通の男を演じています。吉田監督は「(錦戸さんの)カッコよさを必死で抑えた。」と話し、錦戸さん演じる月末が趣味のベースを弾くシーンでは特にミュージシャンとしての錦戸さんが出てしまうところがあったらしく「ファンの人はかっこいいところが見たいかもしれないけれど、(カッコよさを)抑えました。」と教えてくれました。

移住者の一人を演じた松田龍平さんは「替えの効かない、何をやっても(監督が)面白がれる俳優。立っているだけで面白い。」と話していました。松田さんが演じた宮越という役は説明が難しい役で、吉田監督は松田さんから質問を受けることもあったそうですが「俳優にとっては助けにならない話しかできなかった。」と言い「(松田さんは)綿密にプランを立てて演じるらしいけど、(今回は)その場その場で考えて演じたらしい。僕としてはみたい松田龍平がみられた。」と撮影を振り返っていました。吉田監督は「脚本に書かれたことよりも、その場で起きたことを大切にして、脚本のセリフなんか忘れてもいいから、俳優の顔をしっかり見ていたほうがいい。」と撮影に際して大事にしていることを教えてくれました。

映画『羊の木』での水澤慎吾さんをお芝居を見て、半年後に公演の予定だった宮沢りえさん主演の舞台『クヒオ大佐の妻』への出演オファーをしたそうです。

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吉田監督の新しい1歩『羊の木』と今後について

2017年に公開された映画『美しい星』は三島由紀夫の異色SF小説を映画化した作品です。吉田監督は「ずっと若い時から『美しい星』がやりたくて、これまでの作品は『美しい星』を目指していた。」と語り、「『羊の木』は次の時期の1歩目と考えてもよいかな。『美しい星』の後だからこそ新しい1歩になっている。」と吉田監督にとっての『羊の木』の位置づけを話していました。

また『羊の木』は『美しい星』と同時並行で制作をしていたようで、吉田監督は「去年(2016年)、両方の撮影していて、2本やっていることがバランスが良かった。」とも話していました。

今後の活動について聞かれると「いつまで続けられるかはわからないけれど、自分が面白いと思ったものをやっていく」「これだけ好き勝手なことをやって、この年までよく頑張ったと思う。」などと話し、2017年は映画2本と舞台1本という忙しい1年だったそうで「新しいものをもうやりたくないと思っていたけど、1週間くらい前にやりたいことがでてきて、少しずつ形にしていこうと思っています。」と次回作に向けて動き出していることを教えてくれました。インタビューの最後には「『美しい星』をやったら死んじゃうんじゃないかと思っていたけれど、死ななかったんったんで。」と笑いを交えて話してくれました。

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映画『羊の木』オリジナルふせん プレゼント応募方法

映画『羊の木』の公開を記念して、名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)をご覧の皆様に映画『羊の木』のオリジナルふせんを抽選で3名の方にプレゼントします。

応募方法:Cine@nagoya(シネアナゴヤ)の公式Twitterアカウントをフォローし、以下の投稿をリツイートしてください。

 

プレゼント内容:映画『羊の木』オリジナルふせん

応募期間:2月9日(金)まで

当選数:3名

※当選者へは後日DMにてご案内をいたします。

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作品情報

映画『羊の木』

2018年2月3日(土) 全国ロードショー

出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯/松田龍平

監督:吉田大八

脚本:香川まさひと

原作:「羊の木」山上たつひこ いがらしみきお(講談社イブニングKC刊)

製作:『羊の木』製作委員会

配給・制作:アスミック・エース

制作協力:ギークサイト

2018年日本/2時間6分/ビスタサイズ/5.1ch

ⓒ2018『羊の木』製作委員会ⓒ山上たつひこ、いがらしみきお/講談社

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