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2018-01-23

【1/26公開】クァク・ジェヨン監督の日韓合作映画『風の色』主演の古川雄輝さんに名古屋でインタビュー


 

1月26日に公開となる映画『風の色』は『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督がメガホンをとり、話題のドラマや映画への出演が続く古川雄輝さんが主演をしている日韓合作の作品です。北海道が舞台であり主演の古川さんをはじめキャストの多くは日本人ですが、クァク・ジェヨン監督による脚本や演出は邦画ではみられないテイストで、不思議な違和感がクセになる魅力があります。
主演の古川雄輝さんが名古屋に来られた際に、インタビューをすることができました。クァク・ジェヨン監督の現場で経験した出来事、撮影中に感じたことなど、映画の魅力を語ってくれました。(取材日:2017年12月22日)

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たくさんの刺激を受けたクァク・ジェヨン監督の撮影現場

日韓合作映画『風の色』の主演としてオファーを受けた古川雄輝さんは「クァク・ジェヨン監督作品の主演をやらせていただけるということで、とても嬉しかったです。」と話し、撮影については「すべてが刺激でした。」と振り返りました。

映画『風の色』の出演者は日本人ですがスタッフは助監督、メイク、衣装以外は全て韓国の方で、古川さんは日本と韓国の文化の違いや韓国の上下関係の厳しさなどを肌で感じたそうです。

回想シーンの撮影について「全体をスローモーションで撮って、セリフは逆から2倍速で言う、それを逆再生で映すんです。あとで音声だけ入れると周りは全員逆再生でスローなんですけど、僕らの口だけは通常スピードで喋っているっていう(映像になる)、普段やらないような撮り方をしました。」とクァク・ジェヨン監督の独特の撮影方法の秘密を教えてくれました。

またその日に何の撮影をするかを監督がその場で決めるため、スタッフやキャストはどのシーンの撮影になっても大丈夫なように準備をしておく必要があったそうです。映画『風の色』はドッペルゲンガーがテーマになっていて、古川さんは2役を演じているのですが「一人二役は僕よりも衣装部やメイク部のほうが大変でした。」と話し、監督の要望に答えるために衣装すべてをロケバスに乗せ、役柄にあわせてメイクを変えるなどしていたと教えてくれました。古川さんも監督が急に撮影を決めたシーンで披露するマジックを20分ほど練習して撮影に臨むこともあったそうで「最初は戸惑ったけれど、慣れました。」と語っていました。

監督は1日の撮影が終わるとその日に撮影したものを編集して曲を入れて、キャストやスタッフに見せてくれたそうで「今日も素敵な映画が撮れてるね、明日も頑張ろうという気になりました。」と監督と過ごした撮影の日々を振り返っていました。

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日韓の文化の差に感じた戸惑い

映画『風の色』は韓国で作った脚本を日本語に翻訳しているので、日本では言わないようなセリフもあります。古川さんは「監督は日本語を聞き取ることができるので会話は問題はないんですけど、文化の違いを伝えるのが大変でした。」と話し、日本らしいセリフの言い回しや表現について古川さんが監督に意見を伝えることもあったそうです。古川さんは「監督の意思が強く出ている映画で、邦画っぽくない、海外の映画を観ている(気になる)けど、日本語。」と作品の魅力を語ってくれました。

映画『風の色』はクァク・ジェヨン監督が2002年に「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」に参加した時に北海道の神秘的な風景を魅力に感じ、2010年に北海道を訪れて脚本を書き始めたそうです。古川さんも「(撮影の際に)心に残っている景色は流氷。怖いというより神秘的な感じ。映画の中でもその感じを味わえると思います。」と映画では北海道の美しい景色も楽しめることを話してくれました。

 

役者人生で圧倒的に過酷な現場

古川さんは天才マジシャンの隆とマジシャンを目指す涼の2役を演じるにあたり、指の上でコインを転がす練習をして、簡単なカードマジックはできるようになったそうです。映画のクライマックスシーンの脱出マジックはMr.マリックさんが監修していて、海に鎮めたボックスから脱出をするという大掛かりなものです。このシーンは真冬の北海道の海とスタジオでの撮影だったのですが、0度以下の海での撮影だけでなくスタジオのプールの水が温水ではなく手違いで真水だったそうで、体調を崩してしまうほど過酷だったそうです。

またバスタブの氷水に潜るシーンは監督のこだわりで本物の氷を使っていて、二度の撮影後に監督からもう一度とリクエストがあったそうですが、古川さんは「人生で初めて『できないです。危ないです。』と言いました。」と命の危険を感じた撮影を振り返り、「役者を始めて8年間で圧倒的に大変だった過酷な現場だったので、これを経験してしまえば他の現場は全然大丈夫なくらい成長できたと思います。」と話してくれました。

また古川さんは今後について「日本でもちろん仕事はしたいんですけど、僕の年代で英語を喋って、海外でも仕事をしていてというのは限定的になってくるので、自分の特徴であり武器だと思っているので、今後も海外作品はやっていきたいなと思っています。」と語ってくれました。

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作品概要

『風の色』

2018年1月26日(金)TOHOシネマズ 名古屋ベイシティほか全国ロードショー!

突然目の前から消えた恋人・ゆり(藤井武美)の死から100日、彼女との想い出の品々を胸に、失意のどん底からマジシャンになることを決意した青年・涼(古川雄輝)。その後、“自分と生き写しの人間”の存在に気付き始めた彼は、生前「私たちはまた会える」、「流氷が見たい」と言っていた彼女の言葉に導かれるように、北海道へと向かう。そして、旅の途中で偶然出会った、亜矢と名乗る、ゆりと瓜二つの女性(藤井さん/二役)。彼女もまた、2年前の事故により行方不明になっていた、涼と瓜二つの天才マジシャン・隆(古川さん/二役)との再会を待ち望んでいた――。

もし、別次元にこの世界と全く同じ世界が存在し、そこに自分とまったく同じ人間が生きていたら――? 本作は、流氷の北海道・知床と桜舞い散る東京を舞台に、時空を超えた2組の男女が繰り広げる“究極の愛の物語”。

監督・脚本:クァク・ジェヨン

出演:古川雄輝、藤井武美、石井智也、袴田吉彦、小市慢太郎、中田喜子、竹中直人

ヘアメイク:藤井康弘

スタイリスト:五十嵐堂寿

英題:Colors of Wind

主題歌:華原朋美「風の色」(UNIVERSAL J)

挿入歌:Professor Green /Read All About It (Feat Emeli Sande) (USM JAPAN)

原作小説:「風の色」著:鬼塚忠、原案:クァク・ジェヨン(講談社文庫刊)

2017/日韓合作/日本語/カラー/5.1ch/シネスコ/119分

配給:エレファントハウス/アジアピクチャーズエンタテインメント/カルチャヴィル

ⓒ「風の色」製作委員会




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