映画『勝手にふるえてろ』主演の松岡茉優さんが名古屋で舞台挨拶!北村匠海さんにドキドキ!?
12月23日に公開となる映画『勝手にふるえてろ』の特別上映会が名古屋・栄のセンチュリーシネマで行われ、主演の松岡茉優さんが上映前の舞台挨拶に登壇しました。芥川賞作家、綿矢りささんの同名小説を原作とした映画『勝手にふるえてろ』は松岡さん演じる恋愛経験のないOLヨシカが2つの恋に悩んで妄想や暴走を繰り広げる物語。こじらせ女子の痛々しさが愛おしさへと変わっていく作品です。この日、劇場に駆けつけたお客さんへの感謝の気持ちとともに、本作の魅力を語った舞台挨拶の様子をレポートします。(取材日:2017年12月2日)
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東京国際映画祭で観客を受賞した映画『勝手にふるえてろ』
満員のお客さんの大きな拍手に迎えられステージに登場した松岡さんはこの日、朝からずっと名古屋でのメディア取材に応じていたにもかかわらず「体調は万全です!!」とキラキラした笑顔で答え、会場から「カワイイーー!!」という声があがると少し照れた様子をみせました。
10月下旬に東京国際映画祭で観客賞を受賞した本作を松岡さんは映画祭の観客賞特別上映会でお客さんと一緒に観たそうで「俳優の先輩方から映画はお客様に届いて初めて映画になるんだよと言われていたけど、あまり実感がなかった。隣でお客様が泣いたり笑ったり息遣いが聞こえてくるので、それを感じた時に映像が映画になる瞬間を感じることができた。」とひと月ほど前に感じた気持ちを振り返りました。
映画初主演となった松岡茉優さんが演じたヨシカに共感
ドラマや映画などでの活躍を見ているので初主演だということが意外でしたが、松岡さんは主演として気負うことなく、今回で3回目のタッグとなる大九明子監督と一緒に「生きづらさ(を感じたり)、女子の会話についていけない、人に言えない趣味がある、本当はこう思っているのに何で伝わらないんだろうと思っている女の子が報われてほしい」という思いを持って作った作品だと話していました。また、痛快でとてもかっこいい文章による原作をいろいろとアレンジしながらも「もがき苦しみながらも、人と向き合っていく強さと勇気が感じられる映画(になっていて)正当な実写化(だと思うので)、綿谷先生のファンの方にも楽しんでほしい。」と語りました。
ヨシカに共感できる部分が多く、大久監督も松岡さんもヨシカは自分に似ていると話していたと言い「ヨシカ的な鬱々とした部分って、一生懸命毎日キラキラ生きていてもあると思う。人に言えない気持ちとかも心に秘めていて、あるあるだなとか、私はヨシカだなとか」と話しながら、男性は黒猫チェルシーの渡辺大知さん演じるヨシカに想いを寄せる同僚に共感する方も多いようで、共感ムービーとしての本作の一面を紹介していました。
王子様っぷりを発揮したイチ役の北村匠海さん
ヨシカが中学時代から想いを寄せているマッシュルームカットの王子様的な存在のイチを演じている北村匠海さんが「俺はヨシカの気持ちが全くわかりません。」と言っていて、松岡さんは北村さんの発言に驚きながらもいろいろな人がいて全員が共感するわけでなないのだと思ったと話しました。
松岡さんは北村さんとテレビドラマ『鈴木先生』で共演していて中学生の頃から知っているので、キュンとはできないだろうと思っていたそうなのですが「すくすくかっこよく成長しちゃって、あるシーンで、キュンキュンしてすごくドキドキしちゃって話せなくて、マッシュルーム(カット)なのに。『きみの膵臓を食べたい』も素敵でしたけど、彼の王子様性はこの映画のほうが発揮しているので、北村さんのファンの方も楽しんでもらいたい。」と本作での北村さんの魅力を語りました。
司会者から「生きているだけで王子様みたいな人がこの(会場の)中にもいますか??」と聞かれると、松岡さんは満員の客席をぐるっと見回し「王子様ですか??いないかな?ウソウソ。(笑)」と会場を沸かせました。
ポスター写真撮影のエピソード
「今、原作モノと言ったら、桜が舞って、髪なびいて、同世代の女優さんがキラキラしている中で、(ヨシカは)全然キラキラしていない主人公で」と松岡さんが自虐的に話すと、司会者が「ポスターのヨシカは可愛いほうですよね」と言うと松岡さんは「カワイイほうって!?」と司会者の言葉にツッコミを入れながら、この写真がポスターになるとは聞いていなかったようで「けっこう余裕ないシーンのあたりなんですよ。今から大事なシーンなのに、なんで今、写真撮ってんだろっていう涙です。」とポスター撮影時の様子を教えてくれました。
ヨシカの部屋での様子について話が及ぶと「男性諸君に言いたい!女の子って本当にこんな感じ。いつもキラキラしていると思うなよ。家の中ではこんな感じ、そんな女子の生態を許してほしい。」と会場の男性のお客さんに向かって、熱弁しました。
個性的な共演者の面々
映画『勝手にふるえてろ』には個性的なキャラクターが多く出演しています。古舘寛治さんが演じる釣りおじさんや片桐はいりさん演じるヨシカの隣の部屋に住む女性とのシーンでは、現代社会の狭さという物語の核の部分が描かれています。
ヨシカが通うコンビニの店員役の柳俊太郎さんは、長い三つ編みに眉毛がつながっているという印象的なビジュアルなのですが松岡さんは「空き時間に渋谷に行ってきたと聞き、あの格好で渋谷を歩けるMEN’S NON-NOモデルの凄さも感じた。」と話していました。また、石橋杏奈さん演じるくるみちゃんについて「あーいるわ、こういう奴ってというキャラ(のおかげ)で、みんなヨシカの味方をしてくれるので主演でラッキー!!(と思いました。)嫌味なく、憎めないんだけど、それはないだろーーっていう女子を演じてくれている。かわいい子には裏があるので気を付けてくださいね。」と女子の裏表について話してくれました。
松岡さんのおススメのシーンは?
司会者からおススメのシーンを聞かれると松岡さんは「釣りおじさんが話しているときに、ちょっと間合いが変にあくところ。物語の中盤である仕掛けがあり、そこで物語がひっくり返るんですけど、その時に、その間の意味がわかるかなと思います。古舘さんだからこそ、胸を借りることができたシーンです。」と答えた後で、こそっと小さな声で「(古舘さんとは)『コウノドリ』で共演していて、来週第9話放送です。どうぞ、よろしくおねがいしまーす。」と現在放送中のドラマのPRもしていました。
名古屋で食べたものは?
舞台挨拶も終盤になり、客席から「名古屋で何食べた?」と質問が飛び、名古屋のものを食べていないという松岡さんはお客さんから「手羽先」「ひつまぶし」などの提案を受けていたのですが、司会者から「小倉トースト食べたって言ってませんでした?」と聞かれると「あ、食べました。朝ごはんに小倉トースト!!」と思い出したようで「バターをたっぷり塗って食べました。」と名古屋グルメの小倉トーストを気に入ってくれた様子でした。
作品情報
12月23日(土・祝)、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
<ストーリー>
24歳のOLヨシカは中学の同級生「イチ」に10年間片思いをしています。そんなヨシカは会社の同期「ニ」から突然告白をされます。「人生初告られた!」とテンションがあがるヨシカですが、ニとの関係にいまひとつ乗り切れないでいます。ある出来事をきっかけにイチに再会して気持ちを伝えようと思い立って同級生の名を騙り同窓会を計画、ついに再会の日が訪れるのですが…
原作:綿矢りさ著『勝手にふるえてろ』文春文庫刊
監督・脚本:大九明子
出演:松岡茉優 渡辺大知(黒猫チェルシー) 石橋杏奈 北村匠海(DISH//) 趣里 前野朋哉 池田鉄洋 稲川実代子 栁俊太郎 山野海 梶原ひかり 金井美樹 小林龍二(DISH//) 増田朋弥 後藤ユウミ 原扶貴子 仲田育史 松島庄汰 古舘寛治 片桐はいり
配給:ファントム・フィルム
公式サイト:http://furuetero-movie.com/
主題歌:黒猫チェルシー「ベイビーユー」(Sony Music Records)
(c) 2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会