toggle
2017-09-18

田中俊介さん愛がダダ漏れ!シネマスコーレ〈『ダブルミンツ』大学〉最終日(内田英治監督登壇)レポート


中村明日美子先生の漫画「ダブルミンツ」を実写映画化した映画『ダブルミンツ』が名古屋駅のシネマスコーレで9月9日から1週間限定で上映されました。また上映後には毎日、シネマスコーレ副支配で東海テレビ「映画MANIA」に出演している坪井篤史さんによる〈『ダブルミンツ』大学〉と題したトークイベントが行われました。内田英治監督も登壇し、盛り上がりをみせた〈『ダブルミンツ』大学〉最終日の様子をレポートします。(取材日:2017年9月15日)

映画『ダブルミンツ』(2017/6/3公開)

映画『ダブルミンツ』は中村明日美子先生の同名漫画を原作とし、日本映画の枠に留まらない新進気鋭の映画監督・内田英治さんが脚本・監督をつとめた作品です。話題のドラマや映画への出演も多い淵上泰史さんと東海エリア発の大人気エンタテインメントグループBOYS AND MEN(以下:ボイメン)の田中俊介さんがダブル主演し、暴力や犯罪も描かれているダークBLとして公開前から多くの注目が集まっていました。

田中俊介さんが登壇の『ダブルミンツ』凱旋舞台挨拶(7月6日@センチュリーシネマ)レポートはこちら

映画『ダブルミンツ』凱旋舞台挨拶レポート

スポンサーリンク

〈『ダブルミンツ』大学〉を開講したシネマスコーレの坪井副支配人

〈『ダブルミンツ』大学〉を企画したのは名古屋駅西口にあるミニシアター・シネマスコーレの副支配人である坪井篤史さん。名古屋での劇場公開が一旦終了したのちに、ぜひシネマスコーレで上映したいと配給会社に掛け合い、1週間の上映が決定しました。上映にあたり、映画を観に来てくれたお客さんに何か持って帰ってもらいたいと自らが映画『ダブルミンツ』について、主演の田中俊介さんについてを語るトークイベント〈『ダブルミンツ』大学〉の開講を決めました。

〈『ダブルミンツ』大学〉1週間の講義内容はこちら

講義内容を見てもわかるように、映画『ダブルミンツ』への愛はもちろんですが、坪井さんは何と言っても田中俊介さんにベタ惚れなのです。坪井さんと田中さんの出会いは毎週木曜日の深夜に東海テレビで放送されている映画番組「映画MANIA」。新作映画や話題の映画を紹介する番組で、今年1月に放送がスタートしました。この番組の出演者は、はるな愛さん、ボイメンの田中俊介さん、SKE48の高柳明音さん、東海テレビの森夏美アナウンサー、そして、坪井さんなのです。個性豊かな出演者たちを圧倒する勢いで映画を語る坪井さんは、他の出演者から愛され、そして一目置かれる存在です。

入場前に桃ジュースが飛ぶように売れる

開場の30分ほど前にシネマスコーレに行ってみるとすでに入場整理券を持ったお客さんの姿があり、劇場前で販売されていた桃ジュースを買い求めていました。シネマスコーレのスタッフさんが「映画の重要なシーンで、一緒に味わってください!」と声をかけていて、多くの方が桃ジュースを手に劇場内に入って行く様子がありました

この重要なシーンについてあまり詳細を書くことは差し控えようと思いますが、淵上さん演じる光夫があるDVDをキッチンに置いたノートパソコンで観ながら桃にかぶりついているという場面があるのです。このシーンを観ながら桃ジュースを飲めば、口の中は光夫と同じ味になるという、、これぞ“シネマスコーレの『ダブルミンツ』4DX演出”!!多くのお客さんが楽しんでいた様子でした。光夫がどんなDVDを観ていたのかは、映画を観て確認してくださいね。

スポンサーリンク

最終日は内田英治監督が登壇

司会の坪井さんから名誉教授として紹介された内田監督はオリジナル脚本で映画を作ることが多いのですが、原作モノを探していた時期に偶然本屋で「ダブルミンツ」を手にしたそうです。BLというジャンルを超えて面白いと思い、出版社に電話して相談し、2年ほどかけて中村先生と脚本を作る作業をしていたと映画誕生の話をしてくださいました。

映画公開から3ヶ月経っても、どこかで『ダブルミンツ』が観られる状況について監督は「原作ファンと田中ファンに怒られなかったことが予想外だった」と話していました。

キャスティングと田中俊介さんとの出会い

当初からキャスティングは難航するだろうと思っていた内田監督は、短編映画『シェアハウス』に出演した田中さんから『ダブルミンツ』の光央をどうしても演りたいと強い気持ちを聞いてはいましたが、事務所へはダメ元で打診したそうです。田中さん本人が事務所に強固にやりたいと伝えてくれていたことが功を奏し、前向きな返答がきて内田監督は驚いたそうです。

内田監督は自身の作品について、キャスティングの段階で正面切って事務所に相談するとダメになることが多いと話していました。内田監督の武器は役者が抗えない脚本を作ること。「役者は面白い脚本があれば、演じることを抗えない。そこにつけいるしかない。」という発言は、めちゃめちゃカッコ良かったです。そして監督は撮影現場で内容を変えることも多く、いわゆる塗れ場と言われるシーンでは役者さんに「最大限の覚悟を持って現場に入ってくださいと頼んでいる。」と話していました。普通はそのようなオファーをOKする事務所はないそうなのですが、相当の覚悟をして現場に入った田中さんについて「本人のやる気が凄かった。取り憑かれたかのような情熱を見せていて、僕も意外でした。共依存の部分に感化されたようで、そこが嵌まったんだと思う。」と語っていました。

“役者・田中俊介”の魅力や面白さ

内田監督は『ダブルミンツ』を撮った演出家として「田中くんは他の映画であの芝居はできないのではないかと思っている。」と言っていたのが印象的でした。田中さんの不安定な部分や内面についてはこれ以上深いものは出ないくらい出し尽くしてもらったそうで、「映画の刹那、この瞬間にしかでないものがでていたと思う。」と作品を振り返っていました。

そして、内田監督としては珍しく順撮りをしたことによって、映画の冒頭では田中さんの不安や緊張した様子が、また淵上さんと田中さんの関係とリンクして映画の光夫と光央が次第に親密になっていく様子が撮れていることが面白いと話していました。

監督の映画製作仲間からも高く評価されている田中さんの『ダブルミンツ』に対する姿勢について「初めて長モノの主演で、彼の作品に対する思い入れも凄くて、(結果的に1年もの間、気を抜くことなく役作りをしていた)その執念に拍手を送りたい。」と話していました。

スポンサーリンク

内田監督が引いた田中さんこだわりのシーン

『ダブルミンツ』の中でかなり大きなインパクトを残したシーンとして、田中さん演じる成人してチンピラになった光央が光夫に再開する前の“ある出来事”の場面があるのですが、このシーンには田中さんのこだわりが詰まっていたそうです。

坪井さんもこのシーンの田中さんには驚かされたと話し、このシーンのリアルな〇〇は内田監督からのリクエストではなく、田中さんがこだわっていたそうで「グシャグシャにしてほしい。」(田中さん)と監督も引くほどの覚悟を決めて撮影に臨んだそうです。実際の撮影について内田監督は「役者たちがリハーサルから凄い芝居をするから、そこまでハードじゃなくてもいいと言った記憶がある。」と話していました。(※ネタバレになってしまうといけないので、一部内容を伏せています。)

また「田中くんの声がやばかった。」と撮影を振り返り、渋谷の住宅街の地下で撮影していて、近所に田中くんの声が響いていたと現場の様子を教えてくださいました。

田中さんからの手紙とダブルミンツ大学の今後

イベントも終盤となり、坪井さんが田中さんから監督への手紙を預かっていて、お客さんの前で手紙を読みました。内容については、この日のダブルミンツ大学を受講した人だけの秘密とさせていただきます。

『ダブルミンツ』は中毒性の高い作品だと語っていた坪井さんは、1年に1回はシネマスコーレで『ダブルミンツ』をかけていきたいと宣言していました。内田監督からはその時には中村先生を呼びたいとの話も飛び出し、「淵上さんにも参加してもらうけど、田中さんは呼ばないというのはどうだろう」と田中さんのキャラを知っている内田監督ならではのアイディアも披露されていました。

香港の映画祭で内田監督の特集上映(『ダブルミンツ』の上映予定はないのですが)が行われることを聞いた坪井さんは「『ダブルミンツ』の世界反応も見てみたいですよね。日本にもこんな役者いるんだとびっくりされるのではないか。」と話し、最後まで田中さん愛が炸裂していました。

内田監督からも「こんなに『ダブルミンツ』を応援してもらえるのは嬉しいですし、(来年の)イベントの時に面白いことやりたいなと思っています。映画も田中俊介も引き続き応援をお願いします。」とトークイベントを締めくくりました。

イベントは予定の30分を大幅に超えて50分近く行われ、劇場の外には監督のサインを求める長い行列ができていました。監督はお客さんとの会話も楽しみながら、パンフレットにサインをし、写真撮影にも応じていました。

作品概要

『ダブルミンツ』

サブカル界のカリスマ中村明日美子の漫画「ダブルミンツ」を実写映画化。高校時代に出会った二人の“イチカワミツオ”は数年後、衝撃的な再会をし、2人の関係は新しい形へと変わっていきます。犯罪と暴力、男たちの愛と共依存、複雑なドラマを描いています。

監督/脚本:内田英治 

原作:中村明日美子「ダブルミンツ」(茜新社刊) 

出演:淵上泰史、田中俊介、須賀健太、川籠石駿平、冨手麻妙、高橋和也、小木茂光 

配給:アーク・フィルムズ、スターキャット

http://www.d-mints.jp/

(C)2017「ダブルミンツ」製作委員会

スポンサーリンク
関連記事